かなり急速にネットショッピングが一般化しつつあり、しかも取扱業者が極端な寡占状態、ということで、そろそろあちこちに軋轢や弊害が出てきました。先日、佐川急便が実質的にAmazonの取引を止め、ヤマト運輸のそのほとんどをまかなうことになったようです。
Amazon人気の理由は、当日配送や送料無料などのサービスが無視できません。これらの負担は結局、配送業者へシワヨセが来る。佐川急便はそれに耐えられなくなった、というわけです。ただ、こうした市場ヘゲモニーの取り合いでヤマト運輸が有利になったか、といえば、ことはそう単純ではない。Amazonの戦略は国内の宅配業者を疲弊させ、競争力を奪うことも目的なのかもしれず、佐川急便はいち早くそれに気づいて撤退し、体力温存にシフトした、とも考えられます。ようするに、Amazonは将来、自前で流通ビジネスへ乗り出す可能性がある、というわけです。
巨大企業がその体力にものを言わせ、コスト無視の廉売やサービス強化で競合を追い落とし、無人の焼け野原にしてから値上げするなど、やりたい放題に振る舞う、という光景は依然としてなくなりません。ガリバーを生み出す弊害は、消費者にとっても大きい。
ただ、大衆消費行動は正直です。安くて便利で良いものなら単純にそちらへ流れる。それだけに競合他社に頑張ってほしいわけなんだが、体力勝負なので根負けしたら終わりでしょう。ここはひとつ、ヤマト運輸にネットショッピング分野へ進出し、Amazonや楽天の寡占状態に風穴を開けてもらいたいもんです。
Joblion’s ヘッドライン
Amazon、ドローンでの配送サービス「Prime Air」構想を発表
The Tokyo Gadget Scene Right Now
Business Insider
Microsoftでオフィスを開発した功労者、スティーブン・シノフスキー氏は2012年11月に同社を去り、今では大学で教壇に立っているんだそうです。この記事では、旅行で日本を訪ね、日本のITガジェット事情について書いている彼のブログを紹介。秋葉原の家電量販店などで観察したらしい。4Kテレビが売れていたり、売り場にアップル製品が目立ったり。日本人にとっては珍しい光景ではありません。ただ、Androidも健闘していて特に「ギャラクシーJ」はアジア圏だけの販売なので新鮮だったようです。
お墓、先祖と入るか、それとも家族か“墓友”か
戦後史の激動
うちの父親は「散骨」してくれ、と言って亡くなったんだが、残された家族は大変です。あちこち、父親のゆかりの地を訪ね歩き、こっそり海へ散骨したりしてきた。日本の法律だと「遺骨」は粉砕して「骨」状にしないと刑法の死体遺棄などの罪に問われたり、焼いて粉状にした骨も墓埋法という法律によれば墓地以外に撒いてはいけないからです。普通なら先祖代々の墓に入れるんだが、そんな遺言めいたことを言ってたんでしょうがない。このブログでは、どの墓に入るのか、ちゃんと決めておいたほうがいい、と書いています。
Renaissance-era knight’s helmet has a rooster’s head on its visor
io9
その昔、ルースターズって北九州出身のロックバンドがあったんだが、石井聰亙監督の映画『爆裂都市 BURST CITY』にボーカルの大江慎也が出てました。この「ルースター」ってのは「雄鶏」という意味です。この記事では、雄鶏の頭が鼻のあたりについた約2.9キロの重さのドイツ中世騎士のヘルメットを紹介しています。こうした飾り兜は日本では珍しくもない。たぶんバイザーを上げたときにニワトリが正しい位置になるんでしょう。このまま闘えば、滑稽コケッコッコなことになりかねません。
「回復」が必要なときに、「収奪」する、ということ。
[today’s news from UK+]
発展途上国の貧困層が暮らすスラムなどを「観光」する行為について書いているブログです。古来「旅の恥はかき捨て」などと言う。エピキュリアンなエトランゼと言えば何のことやらわからんが、月日は百代の過客という感性から見ると何でも「観光」です。貧困層を「観察」する「観光」は「収奪」さえ、していない。何も残さず何も及ぼさず何も考えない、というわけです。ボランティアにも「非日常」を体験したい、という「観光」的な気持ちで参加した人も少なからずいる。しかし、果たして何も残さず「収奪」さえもしないんでしょうか。こうした「観光」行為が、遠い日本でブログになり、批判的に取り上げられる、という波及的効果は無視できない、とも思います。
アゴラ編集部:石田 雅彦