憲法9条体制の限界が来てしまったわけですが --- うさみ のりや

アゴラ

南スーダンがヤバいことになっています。他の方も述べている通り、キール大統領とマーシャル副大統領の対立に民族問題と石油利権問題が結びついて複雑化し、マーシャル副大統領派が反乱を起こしたという構図です。元々反乱軍は正規軍の一翼を担っていた部隊でありなおかつ長年にわたりスーダンには中国が石油輸入と引き換えに大量の武器を供給してきたので武器が溢れていたこともあり、副大統領派が盛況で政府軍が押し込まれているという現状です。なんせ反乱軍なのに機甲部隊まであるようですから。。。

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現在のPKO軍は大規模な戦闘を想定しておらず最低限の武器しか所有していなかったためあわてて日韓の間で武器の融通をしたところ、またそれが案の定外交問題化して炎上しているわけですがそれは今回はあまり触れないでおきます。ご覧のとおり南スーダンはほとんど平地なので前線を抜かれたら一気に国土全体が戦場になることが想定されるので、現在首都ジュヴァで控えている自衛隊も戦闘に巻き込まれることになります。

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すでに反乱軍が北部東部を制圧しつつあるようなので、これは懸念というより保護している数万人の難民共々自衛隊にとっても差し迫った命の危険になりそうです。この期に及んで「武器三原則ガー、PKO協力法ガー」といっている方々や、「自衛隊は撤退を検討」とかいう誤報を平然と流されている方々がいるのはちょっと信じがたいですし、そういった人達が「平和主義者」と呼ばれるのも違和感を禁じ得ません。目の前の数万人の難民の命を見捨てて自衛隊を撤収させることは「平和主義者」どころが、もはや人道にも反するという域でしょう。

実際にそんなことしたら日本はリアルに「下衆の極み」、「地獄の鬼すら反吐はく所業」、「来世人に生まれると思うなよ」、などとかつて無いほどの国際的な避難を浴びることになるでしょう。この期に及んで国連軍の一翼をなす自衛隊には撤退という選択肢も事実上残されていません。本来なら米軍を頼りにしたいところですが、オバマ政権は相変わらず腰が引けているようで海兵隊も周辺で睨みを利かせる対応にとどまっています。

そんなわけでそろそろ武器三原則でどうだこうださわぐフェイズは終わりつつあって、もはや事態は戦闘時の自衛隊の対応の在り方について考えるべき段階に来ています。国内で憲法改正の是非を議論する前に、現場では憲法9条の想定を越える事態が起きてしまっているわけで、ここでNSCがどのような対応をするか見守りたいと思います。

解釈改憲で国連軍の戦闘を支援するという意外の選択肢は無いように思えますがね。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年12月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。