都民は自分に無関心の都知事を選ぶのか --- 渡辺 龍太

アゴラ

都知事選の候補者が揃ってきた。現在、様々な有名人が立候補を表明し始めている。

目玉候補として、細川護煕氏が小泉純一郎氏と連携して、脱原発をテーマに出馬している。石原慎太郎氏と同じように、『東京から日本を変える!』という事なのだろうが、都民を利用した茶番としか思えない。


例えば、石原氏が東京から日本を変えるとして推進した、ディーゼル規制は生活者としての都民に目に見えるメリットがあった。この規制以降、東京の空気は綺麗になったという実感がある。なので、都知事が東京の空気を守るという事で、国と争った意味は十分に理解できる。

一方、脱原発を必死に訴える都知事は、都民に何をもたらすのか。都内に原子力発電所はないし、東京から離れた所に原発は建てられている。福島県や福井県の知事が、脱原発をテーマに掲げるなら意味がわかる。しかし、脱原発が、都知事のやるべき仕事の様には思えない。

それでも、細川氏が都知事選挙に脱原発を掲げて出馬した理由としては、恐らく、都知事というのは非常に強い力を持っているので、都知事の力をもってすれば脱原発などにも影響力を及ぼせるという事なのだろう。また、知事の政治的影響力だけでなく、東京都は東京電力の株も大量に持っている。

言い換えれば、細川陣営は都民の生活がどうのこうのより、とにかく都知事の権限が欲しいという事なのだろう。つまり、熊本の細川氏と、神奈川の小泉氏が手を組んで、国を動かしたいから東京都知事の椅子を取りに来たという構図なのだ。

そもそも、東京都民の生活というのに、細川氏と小泉氏は興味があるのだろうか?都民としては、非常に馬鹿にされている気がする。

渡辺 龍太
WORLD REVIEW編集長
主にジャーナリスト・ラジオMCなどを行なっている
著書「思わず人に言いたくなる伝染病の話(長崎出版)」
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編集部より:このブログは「World Review 編集長 渡辺龍太のブログ」2014年1月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はWorld Review 編集長 渡辺龍太のブログをご覧ください。