米連邦公開市場委員会(FOMC)は28-29日の会合にて、資産買入規模を現在の750億ドルから650億ドルへ減額する見通しです。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が20日夜、Fed番のジョン・ヒルゼンラス記者の署名記事で伝えていました。
記事を受け、米債相場は時間外取引すなわち21日の東京市場に売りが入ったんです。
ただしWSJ紙の報道内容は、市場にとって織り込み済みで米債相場はNY時間に買い戻しで反応しました。債券購入枠を850億ドルから750億ドルへの縮小を決定した2013年12月FOMC直前の調査時点でも、2014年12月に終了させるとの見通しでしたものね。2013年12月FOMC後、バークレイズはテーパリングついて「当方の予想通り1-9月までFOMCごとに100億ドルずつとし、10月に150億ドルへ広げて終了させる」、JPモルガン・チェースも10月に終了宣言し11月末で幕引きすると予想していました。つまり、以下となる見通しです。
2013年12月→750億ドル
1月→650億ドル
3月→550億ドル
4月→450億ドル
6月→350億ドル
7月→250億ドル
9月→150億ドル
10月→150億ドルで終了
バランスシート、1月15日時点で4兆700億ドル(421兆円)でした。
(出所 : WSJ)
一方で、低金利政策の出口政策の練り直しで再び議論が活発化するとも報じています。利上げを行う上での失業率の数値目標は6.5%ですが、2013年12月で既に6.7%へ低下してましたから当然でしょう。2013年12月のFOMC声明文では「失業率が6.5%を大きく下回る時点でも」、「インフレが中期的な目標値の2%を下回り続けるならば」低金利を継続すると表明済みです。とはいえ、追加的な手段として1)失業率の数値目標を6%へ引き下げ、2)FF金利誘導目標レンジにレンジを設定、例えば失業率が5.5%以上ならFF金利は0.5%を上回らないなど──を検討する可能性があるとか。
Fed高官は、政策の手を縛らない柔軟性のある手段を模索しているともいいます。バーナンキFRB議長は、「失業率が数値目標を超えた場合、広範にわたる多くの指標が判断材料になる」と発言。就業者数の伸びに加え労働参加率、求人率と離職率などを挙げていました。
2月1日からイエレン新FRB議長を船頭に、フィッシャー新FRB副議長を含めたFOMC新体制が船出を迎えますが、どのような選択肢を取るのか。3月18-19日のFOMC前に、2月のイエレン新FRB議による旧ハンフリー・ホーキンス証言が手掛かりを与えるか、注目です。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年1月21日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。