マー君こと田中将大投手、ついにヤンキースと入団合意に至りました。
7年間で1億5500万ドル(162億円)ですから、ダルビッシュ有投手の6年契約5600万ドル(当時の為替レートで43億円)、松坂大輔投手の6年契約5200万ドル(当時の為替レートで約61億円)をゆうに超え、文句なしに日本人プレーヤー最高を塗り替えています。年俸でいえば、黒田博樹投手の来季1年間契約1600万ドル(16億6400万円)を軽く抜き2200万ドル(22億8800万円)。契約金は投手として歴代5位、海外フリーエージェント契約では断然トップです。
気になるマー君の契約内容は、7年契約とはいえオプトアウト条項を含むため4年後にはフリーエージェントが可能。残留した場合、2020年に年俸は2200万ドルから2300万ドル(23億9200円)へ賃上げされます。100万ドル=1億400万円の賃上げ・・・何だかクラクラしてきますね。
ヤンキースとしては、24勝0敗1セーブ防御率1.27という偉業を成し遂げたマー君の獲得はマストでした。なぜなら、昨シーズンは過去19年で2度目となるプレーオフ出場を逸し常勝チームが負け犬と化してしまったから。シーズン後はなりふり構わずスター選手の確保に動き、マー君以外にもブライアン・マッキャン捕手、ジャコビー・エルズベリー外野手、カルロス・ベルトラン外野手といった超一流選手との契約成功に漕ぎ着けました。マー君を含めた契約金は4億3800万ドル(456億円)といいますから、まさに天井知らずです。
おかげ様でマー君を含むヤンキース主力20選手の年俸は、2億300万ドル也(211億円)。贅沢税(高額スター選手を買い漁る球団への課税金)が掛かる分岐点1億8900万ドルを余裕で超えてしまいました。オーナーのスタインブレナー氏が2014年に贅沢税の分岐点死守を目標に掲げていたとはいえ、背に腹は返られず。日本からの観光客とグッズ売上の期待を踏まえた皮算用もあったのかもしれません。
イチロー選手に加え、ヤ軍の日本人選手はキラ星のごとく。
(出所 : ロイター )
ヤンキースそしてニューヨーカーの期待を一身に背負うマー君には、常人の想像を遥かに超えるプレッシャーが押し寄せることは想像に難くありません。そしてもうひとつ、逃れようもない重圧が待ち構えています。何かと申しますと・・・。
税金です。
ニューヨーク州の所得税区分でマー君は、最高税率が該当する年収102万2950ドルを超えるため8.82%が適用されます。米連邦政府の所得税率はというと、ブッシュ減税終了に合わせて引き上げられた富裕層向けの39.6%が割り当てられるです。米連邦政府とNY州から所得税をダブルで引かれるだけで、2200万ドルの年収は単純計算で1134万7600ドル(11億8015万円)と約半分にしぼんでしまうんですね。他にNY市税やらのほか医療保険代が加わりますから、恐ろしいでしょ?まぁお抱えの会計士がとっておきの策を弄して、税金対策するんでしょうが。
数字を出してみると、NBAのレブロン・ジェームス選手が2009年にフロリダ州のマイアミ・ヒートを選んだ理由が分かります。フロリダ州は所得税なしですものね。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年1月23日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。