「うま味調味料」とはいったい何か

アゴラ編集部

我々ヒトが感じる味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五種類と言われています。この「うま味」は、日本人研究者が発見し、それまでは無視されてきた感覚です。「出汁をひく」というように、鰹節やコンブ、シイタケなど、日本料理にアミノ酸由来の「うま味」成分は欠かせません。「うま味」の主成分は、グルタミン酸ナトリウムです。


これを化学的に作り出したのが「化学調味料」。ラーメングルメ関係の人たちに言わせると「化調」と呼ぶらしい。美味しいラーメンを評する際に「化調」が入っているかどうか、重要な項目になります。ただ「化調」が入っているから評価が下がる、というわけじゃないようで、このへんがラーメングルメの奥深さでしょう。

この「化学的」に作り出された、という点がフードファディズム的に批判され、また健康への悪影響が消費者から不安視されたため、業界では1980年代あたりから「うま味調味料」と言い換えて印象操作を始めました。業界的には、すでに有機的な製法で作られているため「化学」ではない、というわけなんだが、批判派は有機的製法でも調整剤や中和剤に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や界面活性剤などを使うため、厳密に言えば「化学調味料」のままだ、と主張しているようです。

ところで我々の味覚は、舌の表面にある味蕾という器官で感じるんだが、一つひとつの味蕾に多種多様の味を感知するセンサー、味覚受容体細胞が入る構造になっています。また、人間の舌ベロに味覚を感じるそれぞれの部位が、地図のようにハッキリ分かれている、というのはどうも眉唾のようで、重層的に重なり合っているとされています。ただ、苦味だけは独立して舌ベロの奥にあり、酸味、甘味、塩味は、ある部分でそれぞれの味蕾が同じ舌ベロの領域にあります。

味蕾には五種類の味覚に対応し、少なくとも五種類の味覚受容体細胞があると考えられています。我々ヒトを含むほ乳類には、五種類以上の数のセンサーが備わっているらしい。仮に特定した49種類の味覚細胞の中には、どうやら、甘味に特化したもの、甘味と塩味の組み合わせ、甘味とうま味の組み合わせなど、複数の味に対応する味覚細胞があり、我々の舌ベロの上には、単独でセンシングする細胞や複数の味に反応する細胞などが複雑に入り交じっている、というわけです。

こうした味覚なんだが、塩味や酸味、苦味、というのは、食べ物が腐敗しているとか、毒が含まれている、といった危険センサーの役わりをしています。甘味は食べ物への食欲を増進させるんでしょう。しかし、料理をするとわかるんだが、うま味以外は多過ぎても少な過ぎてもうまくいきません。塩辛かったり、酸っぱ過ぎたり、甘味が勝ち過ぎたりする。

ところが、うま味だけは、いくらたくさん出汁を入れてもそう抵抗はありません。これは味覚センサーが、うま味成分に対して飽和状態になり、いくら大量に摂取しても違和感を感じられなくなっているからだそうです。だから、場末のラーメン屋なんかは、スープに山のような量の「化調」を投入する。味覚センサーが機能しずらい、化学調味料、いわゆる「うま味調味料」の無意識の摂り過ぎには要注意、というわけです。

暮らしにイイモノ
たった2分で本格派 鰹節屋さんが作っただしパック “倖あわせだし”


グーグルグラスをつけ運転していて違反キップを切られた女性、不起訴に
GIZMODO 日本版
これは日本にGoogle Glassがやってきたら、ちょっとした議論が起きるんじゃないか、と思います。スマホなどの携帯端末を使用しての自動車運転は交通違反になる。米国でも同じのようで、サンディエゴでGoogle Glassを使っていた女性が違反切符を切られたそうです。彼女は不起訴になったんだが、その理由は「運転中にGoogle Glassを使っていたかどうかわからないから」だそうです。そもそも、Google Glassが起動中かどうか、ユーザーがナニを見ているのか、わからない、というのが問題。交通警察官と同じように使用者以外の人間もGoogle Glassがどんな状態かわかるようにしてもらわないと、かなり不安です。

Subaru Puts Dogs Behind The Wheel, And Even Gives A Puppy Its Own Booster Seat

で、こちらはワンちゃんが車を運転する、というテレビCMについて紹介している記事です。スバルのCMなんだが、米国でスバル(富士重工)が大人気のようです。2年連続で売上げが26%も増加し、シェアも2.7%になったらしい。主力のフォレスターやレガシーを若干大型化させた米国仕様が売れている。クルマに「こだわる」米国人が好んで選ぶのがスバル、というわけです。ワンちゃんが運転、というのは、米国人にはおなじみのテレビアニメ『Barkleys』のシーンを再現したもの。1970年代初めごろの作品なんだが、日本では放映されてないので、ほとんど知られていないアニメです。だから、なんのこっちゃワケワカラメ。米国人にとっての『のらくろ』みたいなもんか。

恥ずかしかった思い出
弁護士吉成安友のブログ
お風呂の「混浴」について書いているブログです。当方も以前、熊本県の黒川温泉で混浴風呂に入ったことがある。脱衣場は男女別。戸を開けて浴場に入ると男女が混浴状態になっている、というわけなんだが、女性は老女が一人二人いたくらいだった。しかし、湯船につかって、じっと女性用脱衣場の戸を監視しているオッサンが何人かいて、彼らを観察しているほうが興味深かったです。混浴「業界」では彼らのことを「ワニ」と呼ぶらしい。水面から鼻と目だけ出して獲物を狙う様子がそっくりだからです。今も黒川温泉のワニたちは、ジッと湯船につかっているんでしょう。湯あたりしてのぼせないように注意してほしい。

Organic chemical origins in hydrothermal systems
PHYS.ORG
東工大の研究者らが、地球の生命誕生に重要な役割を果たしたかもしれない、地中のメタン生成メカニズムを解明した、という記事です。これは、白馬岳の火山活動を研究したことによるものらしい。メタンは、一つの炭素原子に水素原子四つが結合した最も単純な構造をもつ炭化水素。メタンが気化したガス、メタンガスは、我々も作り出すことができます。ゲップ、おなら、屁がそれ。天然ガスもメタンが主成分です。こうして生物はメタンを作り出せるんだが、まだ生命がいなかったころの地球では、生物由来ではないメタンがあった、とされ、白馬岳の温泉水には通常の10から100倍の濃度のメタンが含まれているそうです。ここの「蛇紋岩(じゃもんがん、serpentinite)」が水と反応してメタンガスを作り出す。こうした生物由来ではない無機的なメタンによる、炭素の供給により、原始地中では生命が誕生するための材料が大量に作り出されていたかもしれない、というわけです。


アゴラ編集部:石田 雅彦