一般的に天皇というのは「世俗の権力から超越した存在」という考えがあります。あまり「生々しい言葉」を発すると、そうした範囲を逸脱してしまう。これは南北朝後の室町時代あたりから出てきた風潮なのかな、と思うんだが、戦国時代を経て、天皇と距離をおき、江戸を政治の中心にした徳川幕府により、一種の制度として完成されたんじゃないでしょうか。
第二次世界大戦後の天皇制の処遇にしても「象徴天皇」の立場性にしても、過去のそうした文脈から出てきたわけです。一方で、錦の御旗のごとく、ときの現実世界の権力者に天皇の権威を都合よく使われてしまう、という危険性もあった。今の日本でも「天皇の政治利用」はとりわけ強いタブーになっています。徳川幕府が天皇と天皇制を神棚の上に祭り上げ、誰も手の触れられない場所に置いておこうとしたんだが、薩長に逆手を取られて利用されてしまった、というわけで、それだけ強力な影響力をもっている、ということなんでしょう。
昭和天皇について言えば、もう大変な時代の天皇だった、というしかありません。しかし、第二次世界大戦で日本が大戦争をし、国民国土が惨禍に見舞われたことに対して忸怩たる強い思いがあった、と推察されます。靖国神社も戦犯らが合祀されたころから昭和天皇は参拝しなくなり、その後、今の天皇も同じ態度に徹している。その理由は、戦犯らの合祀に反対していたからか、それとも別の理由があったのか、よくわからないんだが、世俗の権力から超越しているがゆえにハッキリした意見を言えない、というジレンマがありそうです。
そんな天皇が、いきなりテレビに出てきて国民に呼びかけ、驚いたのが2011年3月16日の夕方でした。「東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば」です。こうした「生のメッセージ」を国民に対して伝えるのは、実に1945年8月15日の昭和天皇の「玉音放送」以来のことだったらしい。風化しつつある3年前の体験なんだが、あの放送についてはよく覚えています。天皇から直に呼びかけられたことで、安心したり落ち着いたり気を取り直したりした人も多かった。特に原発事故直後のことでもあり、放射能汚染におびえ、どう対応したらいいのか、不安になっていた人にとっては心強いものがありました。
民主的な選挙で選ばれた大統領が、反政府デモの勢力に屈して海外へ逃亡し、簡単に新政権ができてしまう時代です。中国には共産主義以前から「革命思想」というのがあるんだが、これは「命(天命の意)を革(あらた)める」ということで、ようするに栄華を極めた王や皇帝も天が命じるところにより交代させられる、という概念です。しかし、なぜか日本には「皇帝を取り替える」という発想はない。これは世界史的に眺めても「不思議な現象」で、日本人の精神性に何らかの影響を与えているのは確かでしょう。
どーか誰にも見つかりませんようにブログ
昭和天皇の示した天皇観
This is what Microsoft’s answer to Siri and Google Now will look like
BGR
スマホといえば、AndroidかiPhoneというわけなんだが、MicrosoftもWindowsのスマホを出しています。少しずつ認知度を上げ、わずかながら売上げも伸びているらしい。ウワサではAndroidのOSを載せ替える、なんて話もあったり、イマイチ感があるスマホです。この記事では、次のバージョンではiOSのSiriなどに似た音声対応アプリ「Cortana」をアップデートして搭載するかも、と書いている。「セクシーな秘書」といった風情。そういえば昔、WordやExcelなんかのヘルプにイルカとか「冴子先生」って女性のアシスタントが出てました。懐かしい。
もしも戦国時代に「週刊鷹狩マガジン」があったら
WARRAPAPPA
ヒトにできないことをほかの動物にやらせる、というのは、世界中で行われています。農耕で牛馬を使ったり、チーターに得物を捕らせたり、牛車に牽かせたり、鵜に魚を取ってきてもらう。タカやハヤブサなどの猛禽類を訓練し、獲物を捕らえさせる方法は古今東西で盛んに行われていたようです。今でも空港周辺でバードストライク対策で猛禽類が使われていたりするらしい。徳川家康が「健康のため」に鷹狩りをやっていたのは有名な話なんだが、ようするに獲物を捕らえてもタカはそれを持って帰っては来ません。捕らえた場所まで急いで行って奪わなきゃならない。それで運動になる、というわけ。東京目黒の「鷹番」というのは、江戸時代に鷹狩りの猟場があったからです。
「ニッポンの評判 今井佐緒里」
ヌマンタの書斎
書評です。のわりにリンクが貼られていないので、いったいどんな本なのか検索しちゃったじゃないですかあ。ドコの国もドコの国民もみんな特殊であり平凡でもある。それぞれ違うし同じでもある。日本がいい国だと思うのは、そこに住んでるからにほかならない。住めば都じゃないんだが、日本人は他国や他国人を論評できるほど、知識があるわけでも行ったことがあるわけでもありません。おそらく他国人も同じでしょう。だから「評判」というタイトルになる。実際にそうかどうかは別です。
Will It Ever Materialize?
THE DIPLOMAT
クリミア半島を手中にしたいロシアが、そうはさせじと対峙するウクライナと一触即発の状態になっているようです。即発にはならないと思うんだが、第一次世界大戦だって起きない起きないと言っていて、暴発的な事件で起きてしまった。バルカン半島ならず、クリミア半島が火薬庫になりつつあるのかもしれません。この記事はステルス戦闘機について書いているんだが、米国も軍事費が枯渇しつつあり大変らしい。ロシアも資金難は同じながら「T50」というステルス性の高いG5戦闘機が実戦に配備間近と言われている。ロシアに対抗して欧米が何かできるわけでもなさそうです。
アゴラ編集部:石田 雅彦