中国昆明の「テロリスト」の凶器はなぜ刃物だったか

アゴラ編集部

3月5日から中国における国会のような「全国人民代表大会(全人代)」が開かれます。その直前、3月1日の夜、雲南省昆明(クンミン)市の駅前で複数の犯人による犯行グループが突然、刃物を振り回し、付近の人たちを次々に斬りつけ、29人が亡くなり150人近くが重軽傷を負う、という事件が起きました。

容疑者の数人が現場で射殺されたらしいんだが、中国当局は残りの容疑者も拘束し、犯行グループが男女8人だったと発表しました。昆明市当局は、すでに事件を「新疆ウイグル自治区の独立主義者によるテロ」と断定し、その理由として現場でウイグル独立組織の旗が見つかったから、と言っているらしい。報道によれば、凶行に使われたのは長さ50センチほどの青竜刀に似た刀です。


テロ事件と言えば、爆発物や銃器で行うと思い込みがちです。しかし、女性を含んだ8人でも刃物を使えば、200人近い人間を殺傷できるという実例でしょう。2008年6月8日に起きた秋葉原通り魔事件では、一人の犯人の犯行で、ナイフで4人が亡くなり8人が負傷しています(トラックが突入し3人が死亡)。凶器のダガーナイフは、両刃で刃渡り13センチでした。

今回の事件については、中国の情報統制もあり、いろいろと謎めいたことが多く、本当に新疆ウイグル自治区の独立主義者による犯行なのか、首を傾げている人も少なくありません。場所が雲南省という少数民族が多いところであり、狙ったのが無差別の庶民であり、犯行声明なども出ていないことなどから疑問が生じているんでしょう。表題記事にあるように、チベット問題などで中国当局に対する国際的な批判も強く、新疆ウイグル自治区でも同様に強権的な弾圧が行われている、という意味で今回の事件も当局のフレームアップか誘導なのではないか、という見立ても出ています。

もし、当局の発表通りだとすれば、全人代の前でもあり2013年11月に車が突入するテロ事件が起きた天安門広場など、中国の主要機関周辺では監視や取り締まりが強化され、テロを敢行するのには難しかったのかもしれません。また、銃器なども規制され、無差別な相手を対象に刃物を使わざるを得なかった、とも考えられます。

テロが不毛なのは、当局の弾圧が激しくなればなるほど、その被害が無関係の不特定多数に向かうことです。しかし、爆弾や銃器と違い、刃物という至近距離で相手を殺傷する凶器でのテロは、凶行に及ぶ強い意志がないとできないでしょう。新疆ウイグル自治区の独立主義者たちがそこまで追い詰められているのか、それとも裏には別の勢力がいるのか、はたまた当局の自作自演なのか、まだちょっと判断がつきません。

大紀元
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アゴラ編集部:石田 雅彦