中野区の多選自粛条例はやっぱり無くなってしまったわけですが --- うさみ のりや

アゴラ

前にちらっと申しました中野区の田中大輔区長が自ら公約して成立させた多選自粛条例を自らの手で葬り去ろうとしているというお話ですが、この多選自粛条例は「全会一致」で採決されたにもかかわらず、あっさりと議会の賛同をへて削除される運びになった模様です。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140325/k10013230511000.html

多選自粛規程を削除する理由が「多選によって区政に弊害が出るという合理的な根拠はない」とのことなので、そもそも何の意味も無い条例を全会一致で成立させた議会とは一体なんなのかと呆れざるを得ないわけですが、田中大輔区長がこうまでして再選に挑みそして与党議員団がそれを支援する理由とは何なのかとも考えさせられるわけです。

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(http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/163000/d004403_d/fil/03005.pdf)

。。。といいつつ答えは考えるまでもなく明確で、来年から本格化する中野駅前の再開発という大事業を貫徹したいということなんでしょう。プロジェクトは2012年から2031年までという20年にも渡る大公共事業なので、この間田中大輔区長がずっと地位に留まろうとされるのかというのが気になるところです。ちなみに平成26年度の予算では駅前の公務員宿舎跡地の用地を買収するために82億円、駅前の公園の防災化のために104億円ほどがっつり積んでおりまして、これ自体は批難されることではないのかもしれませんが、どうしても利権の匂いがしてしまいなんとなく釈然としないものを感じます。。

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(http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/163000/d004403_d/fil/03005.pdfより)

こうした大事業を計画した勢いでそのまま始めてしまうのか、一度ここで区長を替えて見直しの機会を設けるのか、区民自体が多選の弊害というものの是非を改めて考えるタイミングなのでしょう。それにしてもこうした再開発プロジェクトって結局どのくらいお金がかかってリターンがどれだけあるかっていうことが見えないので中々是非の判断が難しいところです。おそらく1000億円近い規模の事業となることは想像に難くないので、もう少し投資とリターンを明確に説明した資料というものを区としては提示すべきだと思うのですよね。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2014年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。