消費増税便乗値上げの自販機を寄付型にしてはいかがでしょう

本山 勝寛

いよいよ消費税が8%に増税される。ヤフートピックスでは、「100円の缶ジュースが20年で130円に…ネット上で“便乗値上げ”の声も」といった記事も紹介され話題になっていた。

今春、清涼飲料最大手の日本コカ・コーラグループが、自販機で売る350ミリリットル缶を120円から130円に、500ミリリットルペットボトルを150円から160円に値上げすると発表。それに飲料各社が追随すると、ネット上では“便乗値上げ”との声が挙がり、「企業の怠慢」と飲料メーカーを糾弾する意見も散見されました。清涼飲料最大手の日本コカ・コーラグループが、自販機で売る350ミリリットル缶を120円から130円に、500ミリリットルペットボトルを150円から160円に値上げすると発表。それに飲料各社が追随すると、ネット上では“便乗値上げ”との声が挙がり、「企業の怠慢」と飲料メーカーを糾弾する意見も散見されました。


自販機が1円、5円玉を扱いにくいので、10円単位の価格設定になるのは分からなくもない。ただ、消費増税分の3%だと、120円の缶ジュースで3円ほどにしかならないのに、ずいぶんと盛ってるなという印象を受けるのも確かだ。

100円で売っている自販機やもっとやすく売っているスーパーもあるし、価格は自由競争下の需給バランスで決まるので、文句を言っても仕方がないのだが、一つ建設的な案を提案したい。

消費増税の便乗値上げ分をNPOなどへの寄付に回す「寄付型自販機」にしてはいかがだろうか?寄付型自販機はラッピングに寄付先の活動紹介なども載せることで、手軽に身近に参加できる寄付の方法として近年、各所で拡がりつつある。私の勤める日本財団でも1本あたり10円をNPOなどへの支援に活用する寄付型自販機の普及に取り組んでいるが、全国で2000台を超えた。

日本は人口や面積あたりの自販機設置台数が世界で最も多い自販機大国だ。現在、飲料自販機だけで256 万台、年間売上額は2兆3000億円にものぼる。仮に今回の便乗値上げ分の一部の1本5円を寄付に回せば、年間約1000億円が社会貢献事業にあてられることになる。これは日本の寄付市場1兆円の1割にもなる。

自動販売機は子どももよく利用するので、寄付や社会貢献活動を身近に考えるよい教育啓発の機会にもなろう。親としても、子どもにそういった自販機で飲み物を買って寄付をさせることで様々なことを考えさせたい。

飲料メーカーや設置者は、便乗値上げで短期的な利益を追うだけでなく、自販機が日本の誇る文化として定着するよう長期的な視点で検討いただきたい。

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学びのエバンジェリスト
本山勝寛
http://d.hatena.ne.jp/theternal/
「学びの革命」をテーマに著作多数。国内外で社会変革を手掛けるアジア最大級のNGO日本財団で国際協力に従事、世界中を駆け回っている。ハーバード大学院国際教育政策専攻修士過程修了、東京大学工学部システム創成学科卒。1男2女のイクメン父として、独自の子育て論も展開。アゴラ/BLOGOSブロガー(月間20万PV)。著書『16倍速勉強法』『16倍速仕事術』(光文社)、『マンガ勉強法』(ソフトバンク)、『YouTube英語勉強法』(サンマーク出版)、『お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記』(ダイヤモンド社)など。