我々が日常的に使っている「電池(一次電池)」というのは、電気の貯蔵箱じゃありません。エネルギーのポテンシャルを化学的に溜め込み、電流が流れたときのみ、それが直流の電力となって出てくる。これは不可逆で、放電という一方向のエネルギー変換しかできません。一方、スマホやラップトップPCなどのリチウムイオン電池などは「二次電池」といって、放電と逆の方向に電流を流せば、電気エネルギーが化学的なエネルギーに代わります。これが「充電」と呼ばれる仕組みなんだが、電気を化学的ポテンシャルに変換するのは簡単じゃない。やたら時間もかかります。
表題の記事によれば、イスラエルの「STORE DOT」というベンチャー企業が、30秒で充電できる電池を開発したそうです。これはナノテクノロジーと分子生物学を合体させた技術で、カーボンナノチューブと多種多様なアミノ酸結合であるペプチドを利用するらしい。充電時間が飛躍的に短くなっただけでなく、有機物を使っているので従来の重金属使用の電池より環境負荷が低い、と書いている。
今の技術にはいくつかのボトルネックがあります。その中でも電池の能力は間違いなく大きい。電池のイノベーションこそ、我々が可及的かつ速やかに克服しなければならないハードルの一つです。この記事で紹介されているものは、多数の電池を並列で繋げるセル構成にすれば電気自動車の電池にも使用可能ということで、何やら画期的な発明が出てきそうな予感がします。
Gizmag
Nanodot-based smartphone battery that recharges in 30 seconds
Bernie Ecclestone says Formula One is currently ‘unacceptable’ for fans
the guardian
2008年にジャン=マリー・バレストル(Jean-Marie Balestre)氏がこの世を去ってから名実ともに「F1界の帝王」となったのが、バーニー・エクレストン氏です。1930(昭和5)年生まれだから84歳。まさに毀誉褒貶相半ばする人物で、現在はドイツの法廷で贈収賄事件の裁判中です。そんなエクレストン氏が、F1について苦言を呈した、という記事。もっとアグレッシブでエキサイティングな観戦スポーツにするため、エンジンの排気量やエンジン音について考えるべき、と言ったらしい。そうしなければ、ファンは今のF1を受け入れないそうです。
Somebody Built a Kangaroo Robot Because Why the Hell Not?
io9
カンガルー型のロボットを紹介している記事です。動画もある。約7キロの重さのロボットを40センチから80センチ跳躍させ、カンガルーのような動きを再現しています。両脚をそろえてジャンプするんだが、ジリジリと方向転換もできる。電子系技術の学会「IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)」のプロジェクトらしい。ちなみにIEEEには、東北大学総長だった西澤潤一氏の名前を冠した賞があります。
東京再開発ラッシュ最終章~変貌遂げる三菱村・丸の内と三井村・日本橋、再生なるか?
Business Journal
東京駅の丸の内側と八重洲側の両方で大規模な再開発が行われている、という記事です。この記事でも書かれているんだが、東京に限らず、日本の大都市で問題なのは地区を分断する高速道路。日本橋も真上に高速が走り、もう風情もへったくれもありません。横浜にしても大阪にしても神戸、博多、どこも同じ。あれをなんとかするのは金がかかり過ぎて大変です。
ネットで影響力のあるインフルエンサーを探す検索エンジン『BuzzSumo』
K’conf
特定のトピックのキーワードやユーザー名を指定すれば、Twitterなどで影響力の高いユーザーを検索してくれる、というアプリケーションを紹介しているブログです。これはマーケティングなんかで、けっこう使えそうです。
アゴラ編集部:石田 雅彦