古舘氏がパワポ知らなくても別に驚かないんですが

新田 哲史

小保方会見の炎上が思わぬ形で「延焼」した。古舘伊知郎氏が「パワーポイントを知らない」と発言し、失笑や批判を買っているようだ。でも、ぶっちゃけトラディショナルなメディアに勤務経験にある人間としては、まったく驚かない。


昨晩の報ステをみていなかったので、事実を知ったのは、けさがた、田端信太郎氏のFBで下記のネイバーまとめがシェアされていたのを見て知った。田端氏は茶目っ気たっぷりにいつも、茶化し系のネタをよく見つけてくるので、私も楽しませてもらったり、コメント書きこませてもらったりしているが、今回も案の定、驚いたり、唖然としたりしている人が多かった。

若くして著名ベンチャーの役員を務める田端氏ほどのエリートではなくても、「パワポ」は営業を始めとする一般のビジネスパーソンが使うのが当たり前になっているので、この反応は当然なんだろうが、マスコミの人に対する「誤解」もあるように見受けた。

マスコミのなかでも広告部門など非コンテンツ部門の「業務系」で働いている人のITスキルは、一般企業とさほど変わらない。しかし新聞、テレビ、雑誌の取材現場に来ている人たちはパワポ出来ない人がほとんどではないだろうか。実際、私が一時提携していた元テレビ局のディレクターもパワポがさっぱりで、私が全部代わりに作ってあげてゲンナリした経緯がある(苦笑)日刊スポーツがネット上の騒ぎに便乗したかのような記事を配信しているが、この批判的記述をした記者も、パワポできるのなかな?スポーツ紙の記者さんでパワポできる人、見たことない(正確に言うと一緒にいる時は取材現場なので見る機会がない)。

というのも、仕事で使うことが全くないから無理もない。新聞記者は取材源から未公表の事実を聞き出して記事を書く能力さえあればいい。記事ソフトも特注のソフトであることが多く、ワードではない。アナウンサーは明瞭かつ正確な言葉づかいがまず求められる。トラックの運転手さんが安全にトラックを運行し、道路工事の従事者が工具を使いこなして道路を掘削、舗装するのが職務であるのと同じで、職種的に「パワポ」と疎遠というだけの話だ。そういう意味では、ITスキル面において、パソコンを使わないガテン系のマイルドヤンキーと同レベルでいても職業的にはまったく問題ない。ま、さすがに「知らない」のはどうかと思う部分はあるが、古館さんたちの世代なら「知らない」人がいても不思議じゃない。

いや、そういう私も4年前まで出来ませんでしたので、パソコン教室いって基礎を習得して、その後のOJTで最低限のものは作れるようになりました。念のために言っておくと、最近の若い記者は学生時代にかじっていて、出来る人もいるようです。取材現場を離れて業務職に転じた元記者も短期間で習得している人はいるらしいので、要は必要になったらやる、というだけです。はい。

あー、ショボネタにアゴラの1日1回投稿ルールを行使してしまった。新経連サミットの話でも書きたかったのだが、こりゃ明日だな。ではでは。

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
個人ブログ