【『成長戦略』特集ページ】がんばる人が報われる社会へ。続々成果が出始めている『成長戦略』の全体像、ご覧ください。その主役は、様々な場所でチャレンジする、ひとりひとりの国民の皆様です！http://t.co/vxG92rLkDr pic.twitter.com/CxFoq4pCJm
— 首相官邸 (@kantei) April 11, 2014
首相官邸のホームページが話題を呼んでいる。この北朝鮮を思わせるイラストもさることながら、おもしろいのは、ここで強調されているのが「結果を出す」ことではなく「がんばる」ことだという点だ。これは小保方晴子氏が「一生懸命やっている」という町村信孝氏の話にも通じる、「動機の純粋性」を重んじて結果を問わない心情倫理である。
それはそうだろう。「アベノミクス」の結果は何も出ていないからだ。きのうの日経平均は1万3960円と、1年前に戻ってしまった。実体経済を改善しないで、インフレ期待だけで「好循環」は起こらないのだ。「第3の矢」の成長戦略も、このイラストのような状態では何も期待できない。「結果を見てほしい」といっていた浜田宏一氏や「期待は自己実現する」といっていた竹中平蔵氏には、この結果を直視していただきたいものだ。
民主党政権のアンチ・ビジネスで経済がガタガタになっていた時代に比べれば、安倍政権がプロ・ビジネスに転換したのはよかった。しかし2012年末の政権交代のときリセットすべきだったのは、金融政策ではなくエネルギー政策だったのだ。そのときなら菅直人氏が違法に止めた原発を正常化することはできたはずだ。政府答弁書にも書かれているように、原子力規制委員会に「発電用原子炉の再稼働を認可する規定はない」からだ。
これから景気は悪化し、政権はそれを増税のせいにして、補正予算や追加緩和を要求するだろうが、偽薬がきくのは一度だけである。しかしあきらめることはない。まだ「第4の矢」が残っている。新型スタグフレーションの最大の原因は、毎年20％もエネルギー価格を上げてGDPを2兆円以上も吹っ飛ばしている原発停止だから、これを原状回復するだけで株価は大きく上がるだろう。こんな簡単なことができないのなら、もう一度首相を代えてリセットするしかない。
