食べログの「点数」でお店を選ぶとナゼ失敗するのか --- 内藤 忍

アゴラ

ネットでお店の検索をすると、ほとんどの場合お店自身が作っているサイトではなく、食べログのページがトップに表示されます。また、お店のページの場合、高級なお店ほどサイトに懲りすぎていて定休日や営業時間といった肝心の情報がなかなか見つからない場合もあります。

その結果、お店の情報を調べる場合、食べログの情報を使うことが多くなるのです。しかし、お店に付けられた点数を見て、4点以上しか行かないというようにというように、点数だけで判断すると行ってみて後悔することが多いのです。

食べログの点数だけでお店を選んでしまうとナゼ失敗するのか。理由を考えてみました。


1つは、レビュアーの匿名性です。

食べログのレビュアーの一部の人たちは、面が割れていますが、多くの人たちは誰なのかはわからない匿名です。だから、たった一度、ランチに行っただけで「サービスが悪い」「お店が狭い」「出てくるのが遅い」といったクレームばかりを無責任に書けるのです。お店の会計の時に面と向かって言えないようなことでも、匿名だと過激に書いてしまうのです。

ネット社会では、匿名になると人格が変わる人がいます。面と向かって実名では言えないようなことでも、ネット上で匿名なら言えてしまう。

投稿者のコメントや評価の中には読み終わって何とも後味の悪いものも多く、一生懸命経営しているお店が、素人に上から目線で評価されて、本当に可愛そうだと同情します。

玉石混交のレビュアーの評価の集合体が、点数になっている訳ですから、信頼性はあまりありません。

そして、もう1つの問題は、高級店から大衆店までを1次元の点数だけで評価することの限界です。

お店の評価とはお店が提供する「価値」に比べ「価格」がどの位魅力的かによって判断されるものだと思います。客単価4万円のフレンチでも10万円の満足度があれば「バリュー」ですし、例え1000円で飲める立ち飲み店があっても800円の満足度しか提供できないなら「割高」となります。

同じ4点の高級フレンチと立ち飲み居酒屋。バリューという共通点はあるのかもしれませんが、お店を選択するのは、バリューなだけではなく、目的や予算、そして参加する人たちの好みもあります。点数が高いから、自分のニーズに合った良いお店という訳にはならないのです。

私が選ぶのは、「みんなが良いと言っているお店」ではなく「自分が信頼できる人が良いと言っているお店」です。例えば、食べログを使うのであれば、自分と好みが似ている信頼できるレビュアーの意見を参考にする。匿名よりも実名の情報を重視するのです。

情報が過剰な社会では、点数のようなわかりやすい情報に人々は依存するようになります。しかし、「わかりやすい」ということと「価値がある」ということは、イコールであるとは限らないのです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年5月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。