ビットコインは無から生み出されたのではなく、ドルを燃やすことで生まれる

大石 哲之

ビットコインは無から生まれるのだから、無限にこういうものは作られて、際限がなくなります。現在アルトコインは数えられないほどあります。

現在の、貨幣の供給にくわえ、こういうものが際限なく供給されたらどうなるのか、と考えてを巡らせておりました。そして、

「ビットコインは無から生み出されたのではなく、ドルを燃やすことで生まれる」

のではないかと思うようになりました。

供給行為であるマイニングについては、電気代の無駄であり、人類でもっとも不毛な行為だという批判も有り、わたしも最初はそのように感じていました。

しかし、この電気代は、ほんとうに無駄なのでしょうか?

ネットワークを維持するために必要というのが従来の視点ですが別の視点でみると、これはある種の proof of burnです。

proof of burn とは燃やした証ということです。たとえば、このマイニングプロトコルを採用しているアルトコインでは、BTCを、プライベートキーの分からないあるアドレスに送金するとことで二度と使えなくします。そうしてBTCを燃やして使えなくしてしまったという行為をしたひとに、そのアルトコインが発行される仕組みです。

現実で言うと、ドル紙幣を燃やして灰にしてしまったことが確認されると、等価のコインが発行されるようなイメージです。

現実にはドル紙幣を燃やしてもなにも得られませんが、ドル紙幣で電気を買い、その電気をマイニングという変換装置をとおして浪費することで、等価のビットコインが発行されているととらえるとあながちおかしくありません。

ドル紙幣は、実際には電力会社の手にわたるので、燃えてないので通貨の供給量は減らないのですが、代わりに電力を燃やすということになります*1

となると、ビットコインの交換レートは、長期的には、マイニングにかかる電気代と一致するはずです。

現実通貨 ⇒ マイニング電気 ⇒ ビットコイン

という変換をなしているのですから。

現在は、マイニングのディフィカルティーは大幅にあがり、マイナーは採算がとれなくなっています。マイナーは撤退するか、ビットコイン価格が上がるかどちらかでないとバランスは取れません。

現在はそのフィードバックのしくみが上手く働いていないようですが、将来はうまくリンクするかもしれません。マイニングはすでにクラウドマイニングなどの形で、金融商品として、すでに契約の売買のみになっています[1]から、これが流動化し、マイニング費用とのあいだで瞬時のアービトラージなどがおきれば、フィードバックループが機能するでしょう。

*1 P.S proof of burnでないという指摘をもらったので、考えなおしてみます。
[1] マイニングコントラクト https://cloudhashing.com/