なぜ週休2日制になると運動会で組み体操がなくなるのか --- おときた 駿

アゴラ

本日はとある打ち合わせで、地元の区立中学校にお邪魔しました。今週末が運動会本番ということで、校庭には練習に励む生徒たちが。

校長先生と

「最近の公立は、春に運動会をやるところが増えましたねー」

なんて話をしていたのですが、東京都ですと区立の中学校はそのほとんど、小学校でも半分以上で運動会は春だそうです。


文科省や都・区の教育委員会から行事の時期については指示や決まりが出るわけではありませんので、各学校が裁量で時期を決めた結果、自然と春開催がスタンダードになってきたと言えます。

各学校が運動会を次々と春開催に変更している理由はそれぞれに事情もあるでしょうが、気候が変化し残暑が厳しくなった9月に運動会を行うことへの批判が、その大きな理由としてありそうです。

また一方で、春の運動会開催が増え始めたのは、完全週休2日制が導入されてからという興味深い指摘もあります。

週休2日制となり課外活動に十分な指導時間を確保できなくなった結果、これまで秋に集中していた行事(運動会や学芸会、文化祭に各種コンクール等)に対応できなくなり、比較的準備時間が短くて済む運動会が春に回された、と。

また運動会が春になったことで、入学直後やクラス替え直後で生徒たちの連携が不十分になり、練習も満足に行えないことから、組み体操や騎馬戦などの高度な集団競技が減少傾向にあるという説もあります。

うーん確かに、最近は組み体操や騎馬戦と言った危険を伴う集団競技が減少傾向にあると思っていましたが、これは競技の安全面に対して保護者たちが過敏になったという他にも、

完全週休2日制が導入される

課外活動に十分な指導時間が取れなくなる

運動会が秋から春に回される

危険性を伴う集団競技に、生徒が対応できるか不安が残る

組み体操や騎馬戦がプログラムから消える

という、深遠な流れと理由がその背景にあったわけですね! 風が吹けば桶屋が儲かる……なんだか、古のことわざを思い出しますなあ…。

というわけで、先週に引き続き今週末も運動会が開催される小学校・中学校は多そうです。

現時点での天気予報だと若干天候が心配ですが、思い出に残る運動会が無事に開催されるよう心より祈念しております。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は都議会議員、おときた駿氏のブログ2014年6月4日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださったおときた氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。