こないだ「塀の中」からニコ生放送を立ち上げた女性被告がいるんだが、彼女の周辺では連続して不審死が起きていたわけです。今の話題は、福岡県のリサイクルショップ経営者夫妻にまつわる事件でしょうか。彼らの周囲でも行方不明者が続発しているらしい。尼崎の事件にしても、被害者が何人も殺されてもなかなか発覚しませんでした。
また、児童の死因が特定できないため、虐待死が野放しになっている、という懸念が社会的に増加してもいます。さらに、遺族が身内の死因に納得せず、心残りに感じてずっと思い悩む、という問題も起きています。
日本の自殺者は、一頃のように毎年3万人超えの状況が落ち着き、少しずつ減少傾向にあります。その一方で「変死」の数は減っていません。変死者や変死の疑いのある死亡者は年間15万人にものぼるらしいんだが、一説によれば変死の中には少なくない数の自殺者が含まれ、それを合わせれば自殺者の減少を手放しに喜べないそうです。また、警察が取り扱うべき死因がわからない異常死者は、ここ十年で数万人も増えています。
日本にはこれまで体系的な「検死制度」がなかった、とよく言われています。監察医や検死官の数も少なく、司法解剖もあまり行われてこなかったようです。検死における解剖の割合は、日本の場合、変死者の4%にしか行われていません。これは司法解剖には遺族の承諾が必要、ということもあるんだが、監察医などが徹底的に人手不足であり、さらに言えば事件性の有無も含め、変死や異常死に対する責任官庁が決まっていないことも大きいようです。
すでに2012年には、いわゆる「死因究明2法」が成立しているんだが、同年10月には犯罪による死亡事件を見逃さないように政府や地方自治体の体制を強化し、警察官や医師の資質向上などを目的にした「内閣府『死因究明等推進会議』」が設置されています。政府も今年ようやく重い腰を上げ、今年6月13日には死因究明に習熟した医師などを養成するなどの「死因究明推進計画」を閣議決定。担当大臣も設置し、内閣府が中心になって包括的な死因の究明制度を強化することに決めました。さらに、6月16日には、自民、公明、みんななどが「死因究明推進法案」を衆議院に共同提出しています。
また、医師で作家の海堂尊さんらが提唱する「Ai(Autopsy imaging)」つまり「死亡自画像診断」のシステムも注目されています。東京の銀座には「Ai情報センター」が設立され、非破壊的な診断で医療事故などの死因究明調査にあたっているようです。現状、大学の法医学教室や少数の監察医に頼らざるを得ない司法解剖制度では、年々増える高齢者の死亡や異常死などの死因を解明するのは難しい。人ごとではない死後も納得できる「死」のために、先進国中劣悪と言われる日本の死因究明制度を早く充実してもらいたいもんです。
長崎大学医学部法医学分野
ミュンヘン大学法医学教室を訪問して
じぶんのなかに狂気をちゃんと飼っておく
アドタイ/脳のなかの金魚
このブログ記事を逆説的に考えれば、残業代だのなんだのといっても、人間の頭の中まで「管理」はできません。当方の知人の技術者に、寝ても覚めても自分が開発中の製品のことばかり考えている人物がいるんだが、人間というのはそんなに長く一つのことを集中して考え続けられない。当方のような凡人は、深遠なる哲学的考察を続けようとしても十数分もたてば晩飯に何を喰おうか、みたいになる。「狂気」というのは、こうした集中思考の継続性なども含むんでしょう。残念ながらこの連載ブログも終わりだそうなんだが、書き手もかなり「頭のいいヒト」なんだろうな、と思いました。
Microsoft Unveils Skype Translator That Translates Different Languages In Real Time Conversations
Wonderful Engineering
「Skype」の会話で他言語を翻訳して表示する機能をMicrosoftが開発してる、という話です。これが実現すれば、異文化コミュニケーションが飛躍的に進化する可能性がありますね。今年の年末あたりにWindows 8用のβ版が出てくるらしい。動画ではドイツ語を英語に翻訳しているんだが、今後、同じようなものがどんどん出てきそうな感じがします。
Starbucks Will Pay Full College Tuition For Thousands Of Its Workers
BUSINESS INSIDER
スターバックスが、従業員が通う大学の学費を支払うようです。対象者は13万5000人らしい。ただし、学べるのはアリゾナ州立大学のオンライン通信講座の奨学金、ということです。スターバックス、と言えば、ハワード・シュルツ氏なんだが、もともと米国シアトルの小さなコーヒーショップだった店に入店し、そこから独立して逆にスターバックスを買収、世界的なコーヒーショップチェーンに育て上げた人物です。彼自身、貧しい階層の出身でアメフトの奨学金でノースミシガン大学で学んだらしい。こういう部分が、米国にはまだあって何やらガツガツしてきた日本とは対照的です。
学問も悪く学んでは
戦国ちょっといい話・悪い話まとめ
大内義隆ってのは、戦国中期から後期の人物で今の山口県、周防国の守護大名です。大内家の滅亡が、その後の尼子氏の衰亡と毛利家の隆盛へ繋がっている。今の日本にまだ薩長閥が残存しているか、と言われれば、安倍首相の地元がどこか考えればわかると思うんだが、大内義隆がもうちょっと「利口」だったら今の世の中もまだましだったかもしれません。ただ、この記事で紹介されている逸話は、学問の学び方、というより、偏重人事の弊害、といった面が強いんじゃないかと思います。
アゴラ編集部:石田 雅彦