都議会セクハラでギリシア戦並みのプチ鬼門な舛添さん

新田 哲史

都議会のセクハラ野次問題は、「被害」にあった塩村さんが所属するみんなの党だけでなく、超党派の女性都議からも抗議の声が上がり始めましたし、きのう指摘したようにNHKや民放各局が積極的に取り上げ始めてきたので今しばらく尾を引きそうな感じです。


※野次した都議の特定・処分をきょう求める塩村都議(公式サイトより)
140619塩村

これで今後の焦点になるのは「誰が野次ったのか」を特定に至るのかどうか。「みんなの党Tokyo」が会派として発信者の特定や処分要求を行うようですが、報ステでは、武内アナが議席の図面を手に塩村さんに直撃してましたからね。問題の場面の動画をご覧になった方はお気付きと思いますが、塩村さんからみて議場中央のやや左側。そこは、昨年の都議選でバカ勝ちした第一党がドドーンと陣取ってわけでありまして、もう疑惑濃厚です。

※危なっかしい対応をしている都議会自民党の吉原幹事長(公式サイトより)
140619吉原

ところが、都議会自民党の吉原幹事長は朝日新聞の取材に「わからない」等ととぼけているようで大丈夫なんですかね。「ご指摘を踏まえ、事実確認をきちんと致します」くらい気を利かせればいいのに、テレ朝の取材に対しては「(自民が野次ったと)断定されるのは心外」とまで逆ギレ気味にコメントする状態で、来週に炎上しそうな種火を着々と仕込んでおられるようです。

うやむやにして、ほとぼりを覚ませるんじゃないかと思っていたら、それはもう大間違いで、仮に吉原さんが「聞いてなかった」としても、他党の都議さんの間で目撃者も出ているようですから、そのうち名前が挙がってきて、挙句、特定されて後になって「ゴメンナサイ」しても遅いと思うんですよね。安全保障と危機管理をウリにしている自民党として、どうなんでしょうか。会派の責任者として万一を想定するのが責務なはずだし、最悪のケースとしては、安倍さんの成長戦略で掲げている女性の活躍推進政策のイメージにも響くと思うんですが。いずれにせよ誠意に欠ける対応と取られても仕方なさそうです。

しかし、自民党よりも前に「プチ鬼門」に立たされそうなのが舛添さん。ギリシアくらいは勝てそうだけど、負けちゃったら予選敗退というザックジャパン状態と同じくらいのピンチに実は直面してます。このタイミングで迎えた金曜日。そうです。午後3時から定例記者会見があるんですよ。おときた君の昨日のブログでは、野次が出た瞬間、少し笑っていたと指摘もされていますし、どう対応するんでしょうか。ただでさえ、舛添さんといえば、女性絡みでイメージの悪い政治家番付で、西の大関・橋下さんも足元に及ばぬ、東の大横綱ですからね。

※記者会見での発言が注目される舛添知事(都庁サイトより)
140620舛添会見

都知事選のときも、メロリンQのお友達界隈から「マスゾエには当選して欲しくない女たちの落選運動」なんて起こされてしまったのは、もうご人徳の産物としかいいようがありません。彼女たちの記者会見の動画を見ると、過去の失言のあれこれがパッケージ化されておりまして、「そういや、あんなこと言ってたな」的な醜聞ノスタルジーに浸れること確実です。

※「マスゾエには当選して欲しくない」 女たちの落選運動(YouTubeより)
140619舛添1

選挙終わっちゃったから、三浦大先生のような軍師もいないし、今頃、秘書さんや広報さんはアタマ抱えて徹夜で対応策練っているのでしょう。「アホ都議が仕出かした貰い事故」と思って対応するのか、「無限ループになっているのも自らの不徳の致すところ」と謙虚なところから向き合うのか。そのあたりの心構え次第で明暗を分けるんじゃないでしょうか。いずれにせよ、普段は、都政関係者と報道関係者くらいしかライブで観ない午後3時からのMXTVの知事会見中継番組ですが、「都政クラスタ」の方々にとってはギリシア戦並みに見逃せない展開になって、視聴率は0.05%くらい上がりそうな予感です。ではでは。

※追記(20日1時)
どうやら、自民党都連のホームページにアクセスが集中しているらしく、掲示板にガンガン書き込まれていますね。やはり幹事長のメディア対応への疑問も見かけます。都知事選の折も、舛添さん推薦を決めたために、田母神閣下の支持者たちから数秒おきに投稿される集中攻撃を受けておりましたが、今回はどこまで燃え広がるんでしょうか。
140620自民党

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
個人ブログ