「オバマとアメリカ経済」というタイトルにやや違和感を持った人がいれば今日の私のブログの趣旨をご理解いただけると思います。
では、こうだったらどうでしょうか?
安倍首相と日本経済
しっくりきますね。最近とみに感じているのはオバマ大統領は何をしているのだろうか、と。存在感が明らかに薄くなりつつあるのは中間選挙も控え、別のモードにあるのでしょうか? 経済だけを捉えてみるとアメリカ経済を実質的に牛耳っているのはジャネット・イエレンFRB議長にみえてしまいます。
折しもこのアメリカ中央銀行の定例金融政策会議であるFOMCが今日、二日間の日程を終えました。注目はスタンレー・フィッシャー氏がFRBの副議長として登板した初の会議であるということです。同氏は今年71歳になるのですが、経歴がMITの教授、イスラエル中央銀行総裁、IMF、さらにはシティグループの副会長も務めるなどあらゆる方面での活躍と共にイエレン氏をはじめ、金融界の多くの大御所の「先生」である点がポイントであります。FRB副議長招聘にもイエレン氏が三顧の礼で迎えたとされていますが、それはイエレン氏との補完関係を形成し、圧倒的な中央銀行支配体制を作り出すものであります。
経済、金融のニュースを見ていてオバマ大統領がどうした、という話を聞くことはほとんどなくなったのは実質的にアメリカ経済においてワシントンが劣勢に立っているとも言えそうです。何故でしょう? 私が見る限りはアメリカの政治がつまらなくなったからではないでしょうか?
最新のウォールストリートの世論調査によるとオバマ大統領の支持率は41%で過去最低水準です。その中で特に外交政策への評価については37%とこれは過去最低を更新、過去一年でオバマ大統領の働きがよくなったと思う人は15%に対して悪くなったが41%という具合です。確かに最近はどこの国家元首でも当選の時は圧倒的な支持を受けますが、1年、2年と経つとボロが出るケースが増えているように感じます。オバマ大統領もその口ではないでしょうか?
ただ、アメリカ国民がその判断に苦しんでいるのは対立する共和党もどっこいどっこいでそちらの支持も盛り上がらないということです。最近はティーパーティーの復権も取りざたされる一方でアメリカ国民は共和よりも民主と思っている政策、例えば教育、移民、環境問題もあるのです。つまり、双方決め手がないということなのでしょう。
日本は政治不信から無党派が増えた時期がありましたが、それに似た状態であるともいえるのでしょう。
ただ、この傾向はリスク含みであることは頭の隅に置いておくべきでしょう。金融と政治が決める政策の両方がかみ合っての経済の安定した活性化です。金融政策に頼りすぎるとどうしても目先の利益に追われやすくなります。よって、国策としてどうしたいのか、国を動かすことが政治であり、その力が発揮できないのであれば早晩行き詰まることがないとは言えないのです。
よって、アメリカの経済が確かに指標的には安定的でイエレン議長の柔らかな表情や今日のFOMCが全会一致での決議だったことも踏まえれば今は6月の心地よい季節を感じているでしょう。しかし、ずっと長く続く保証はないのです。
その点、安倍首相は外野からなんやかんや言われててもこの1年半でずいぶんいろいろなことをまとめつつあると思います。黒田金融との両輪の輪はきちんとかみ合っていると思います。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年6月19日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。