韓国に果たして「反日」している余裕があるのか --- 岡本 裕明

アゴラ

最近の韓国関係の記事を読む限り感情抜きで大丈夫だろうか、と心配になってきてしまいます。

船の沈没は起こるして起きたとすればそれはなぜなのか、そして次々と発生する事件に朴槿惠大統領もなすすべなしという感じになってきました。今回起きた事件は韓国兵士が銃を乱射し同僚を12名死傷させ逃亡するという事件でした。銃を持っての逃亡ですから近隣の人はさぞかし不安になるでしょう。そして予想されることは事件が収まった後で国民から政府への厳しい糾弾です。


韓国は感情のコントロールが難しくボイスが一定方向に大きく走るところは日本のそれをはるかに上回り最終的に吊し上げて「せいせいするまで」叩きのめすというのがパタンであります。

政権幹部になりたがらない人が多いのもそれを恐れているからでありましょう。特に朴大統領は難しい人とされていますのでコミュニケーションもうまく伝達できないということに見えます。

では、韓国がなぜこんな状況になったのか、私が思う理由の一つに経済発展と国民の成熟度がアンマッチしていることにではないかと考えています。つまり、経済的には中進国から上に抜けてきていますが、それはGDPなど経済指標上の話です。国家の成熟度とは経済指標では測れない国民の教育水準、国際水準と比較した常識感やモラル、社会保障、社会の仕組みなど多数のファクターから成り立つものです。その成熟は試行錯誤を繰り返しながら世代間を通じて修正されるものであり、決して物的満足度から国家が成熟するものではないのです。

韓国は日本に追いつくためにあらゆる努力、それこそ日本製品の真似から日本人技術者採用を行い、形の上で追い付き、携帯販売など一部製品は日本を追い越したわけです。しかし、創造のプロセスを踏まず、改造、改変による踏み上げは必ず行き詰ります。韓国がノーベル賞を取れないのは基礎の積み上げから自己流の創作に欠けるからでしょう。

これでは5000万の国民全体の水準引き上げには程遠くなってしまいます。

ではその経済。朴大統領は中国にすり寄る政策を取りました。しかし、中国は基本的に韓国をもっと濃くした性格、つまり、アイディアを盗み、それを自国のものだと主張し、それまで世話になった外資をポイとする歴史が今日明日で変わるわけがありません。韓国がどれだけ中国に売り込んでも技術的に大差がなくなってきた今日において中国からのメリットは今後大きく期待できないとみるべきです。朴大統領はむしろ外交的理由から中国と同調したと思われますが、それが正しかったのか、私は疑問符をつけています。

新首相候補の文昌克氏も国会の人事聴聞会で紛糾することは必至の状況であとは本人の胆力次第ですが、初めからこの状態では首相に就任しても厳しいかじ取りとなるでしょう。仮に辞退するとなればもはや、朴大統領の政権管理能力そのものが地に落ちてしまいます。

結局、迷走を重ねるうちに時間だけをロスし、本来あるべく自己啓発が遅れてしまう結果をもたらすでしょう。中央日報の日本語版は河野談話の記事一色です。新聞が報道する内容はそれだけなのでしょうか? プロパガンダばかりに固執している余裕は韓国にはもはや残されていないのではないでしょうか?

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年6月23日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。