女性の社会参加促進の追い風を受けてか、霞ヶ関の女性キャリア官僚から官房副長官宛に「働き方提言」が出されたといいます。
…霞が関で働く若手女性官僚の有志が、残業時間の短縮など仕事と子育ての両立に向けた提言をまとめ、加藤官房副長官に手渡しました。
…子育てや介護などと仕事との両立を図れるよう残業時間の短縮や在宅勤務の推進などが盛り込まれています。…
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20140627-00000002-ann-pol
この状態、日本社会を動かしているのは殆ど「男性」であるのが実態ですから、それは「男性の」というより、「日本の」ということになりそうに思います。
…とするなら、国際社会の一員である日本は他国と同じ土台で活躍しているわけだから、他国の人々と同じ、尺度で働きの管理をすることが必須、ということになってきそうです。
つまり、人の働き方を他国と同じ構造に組み立てることが欠かせない、ということになりそうで、それはただ今の政権で取り組んでいる、「時間管理」から「能力管理」への移行という、雇用改革とまったく符合してきそうです。
ところで、霞ヶ関はもとより時間管理は機能していないと同意のように眺めていますが、それは一方で「年功序列・終身雇用」という雇用秩序が未だに根強くあるから…ではないでしょうか?
終身雇用は、能力主義とは同調できますが、年功序列と能力主義の同調は難しい…。
それでも、この提言は霞ヶ関は「時間管理」を見直し、「能力管理」に移行するってことを扱っているとしたら、素晴らしいと私は思います。
ですが、年功序列型管理フレームという守られた中で介護や育児といった家庭事情を引き合いに出しているとするなら、かなり疑問です。
仕事はチームで行う活動です。
国際社会の一員である日本は他国と同じ土台で活躍しているわけだから、その同じ舞台で他国より存在意義を高めるのが、霞ヶ関の方々のお仕事のように思います。
個人の事情から仕事を、働き方を眺めるとするなら、誰でも代わりを担ってもらえるような軽度な仕事にするか、あるいはいつでも自分の代わりを担ってもらえるように仕事の仕方を変えるという方法もあり、これらは自分の側でいくらでも調整できそうに思います。
折しも女性の登用率を割当率として高めようという動きがある中で、結局は自分勝手な主張としか社会には映ってこないような「働き方提言」ではないことを、期待します。
玄間千映子(げんま ちえこ)