ゴールドマン・サックス・グループが15日寄り前に発表した4~6月(第2四半期)決算は、純利益は前年同期比5%増の20億4000万ドルだった。1株当たり利益は4.10ドル。前年同期は3.70ドルのところ市場予想の3.09ドルと減益を見込んでいたが、サプライズの増益を果たした。収入は6%増の91億3000万ドル。報酬費用は39億2000万ドルに増加した半面、収入に対する割合は前年同期横ばいにとどまり43%だった。
債券・通貨・商品(FICC)トレーディング収入は前年同期比10%減の22億2000万ドル、前期比ベースでも22%減だった。ただし市場予想の18億9000万ドルを超えている。株式が16億1000万ドルと市場予想の16億ドルを上回ったほか、債券も会計上の調整を除き9%減と、一部の市場予想の24%減から下げ幅を縮小した。
投資銀行業務の収入は前年同期比15%増の17億8000万ドル、前期比ではほぼ横ばいだった。合併・買収(M&A)など助言業務は4%増の5億600万ドルと、市場予想の3億9300万ドルを上回った。前期比では、26%減となる。引き受け業務は20%増の12億8000万ドル。株式が5億4500万ドルと、市場予想の4億6900万ドルおよび前期の4億3700万ドルより強い。債券も7億3000万ドルと、市場予想の6億8200万ドルおよび前期の6億6000万ドルを超え、過去最高を記録した。結果、引き受け業務の収入は4~6月期、全体の収入のうち14%を占め2000年以来で最大を記録している。1~6月の投資銀手数料収入は過去最高に達した。
投資資・貸出部門の収入は前年同期比46%増の20億7000万ドルとなり、市場予想の15億ドルを超えた。
中核的自己資本(コアTier1)比率は11.4%と、基準の7%を上回った。株主資本収益率(ROE)は上半期末で10.9%だった。
──以上、引き受け業務を中心に投資銀行部門が支えていました。トレーディング収入も予想より悪化せず。ただしJPモルガンを含め、トレーディング収入の市場予想は低く見積もり過ぎたとの指摘も聞かれています。問題は、Fedが出口政策に本格的に入る段階で引き受け業務を中心に力強さを維持できるかでしょう。
(カバー写真 : dailyslave)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年7月16日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。