英国の経済誌「The Economist」にフランス発のこんなベンチャー企業が紹介されています。
ブラブラカーという人を食ったような名前のサービスですが、インターネットで車の相乗りサービスの仲介をする会社です。例えば、パリからベルギーのブラッセルまで車で行く人がいれば、ドライバーが日程の告知を出し、希望者を募ります。待ち合わせ場所を決めて、一緒に出掛けるという仕組みです。
既に欧州12か国で800万人の登録メンバーがいるそうです。ロシアにも進出し数か月で25万人の登録者を獲得し、トルコ、ブラジル、インドなども候補先として注目していると書かれています。
このようなシェアリングエコノミー(共有型経済)のベンチャー企業としては、Airbnb(エアビーアンドビー)の自宅や空き室を短期で貸し出す宿泊サービスや、Lyft(リフト)やUber(ウーバー)の車のサービスなどがありますが、これらは全てサンフランシスコ生まれです。パリから生まれたネットベンチャーというのもユニークです。
このサービスは既存のバスや鉄道の収益を脅かすことになりますが、規制や業界からの反発が無いのが強みとしています。相乗りをする人たちは、ビジネスとして利益を目的にやっている訳では無く自分の費用を安くするために行っているだけだからです。税金面での問題もありません。
例えば東京から大阪に行くのに、ハイウェイバスの夜行は4列シートだと4000円~5000円くらいのようです。狭い席のバスで移動するより、同じ値段でベンツの助手席に座ってゆったりと出かけることができるなら、圧倒的に快適な旅になるでしょう。バスだって隣は知らない人ですから、知らない人と相乗りでも、信用できる人であれば問題ないはずです。Airbnbのように、過去の利用者の評価によって、同乗者としての「信用度」が蓄積されれば、さらに便利で快適なサービスとなります。
日本でもこんなサービスが始まれば、大きなニーズを掘り起こすことになるでしょう。いずれ、進出してくることになるでしょうが「安全性に問題がある」などと、変な規制がかかったりしないか今から心配です。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年7月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。