前例がないから、やらないのか? 前例がないからこそ、やるのか? --- 内藤 忍

アゴラ

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カンボジアのスタディ・ツアーは、本日最終日になります。プノンペンの次に向かったシェムリアップは不動産投資の可能性を考えながら、アンコール・ワット、アンコール・トムなどの遺跡の見学もしました。

シェムリアップは2回目ですが、案内してくれたガイドのコサルさん(写真)の日本語が恐ろしく流暢で驚きました。しかも、聞いてみると日本に行ったことは一度もないとのこと。学校に行きながら独学で、仕事をしながら語学力を磨いていったのです。優秀で素敵なガイドさんのお蔭で、充実した1日を過ごすことができました。

今回の視察で感じたことは、カンボジアの将来に対する大きな期待です。プノンペンの発展ぶりは、想像以上でこれからさらに開発が加速していく可能性が高いと感じました。


とは言え、新興国の不動産投資には、高いリスクがあります。国内で投資するよりも高いリターンを期待するのですから、リスクが高くなるのはマーケット原理からして自然なことです。

カンボジアのような新興国への不動産投資にネガティブな意見の中には、「前例がない」のを理由にしている人がいます。

カンボジアには10年以上経過したコンドミニアムがありません。今、新築で購入しても5年後、10年後どうなるかは、前例がない。もしかしたら、劣化が激しく、市場価値が落ちるかもしれない。あるいは、将来の売却時の流動性に問題があるかもしれない・・・。様々なリスクがわからないから投資しないという意見です。

「前例がないから、やらないのか」それとも「前例がないからこそ、やってみるのか」は、まったく対照的な考え方です。

将来の不確定なリスクに対して、どのような判断をするかは、個人投資家の判断ですが、私は失敗しても良いと思える範囲のリスクであれば「前例がないからこそ、やってみる」ことに大きなチャンスがあると思っています。カンボジアをはじめとする新興国には、前例がないことに対するマーケットからの超過リターンが眠っていると考えるからです。

カンボジアは、投資適格格付になっていない小さな国です。大手の銀行の資金量がわずか2000億円程度ですから、日本の信用金庫よりも小さいレベルです。投資をするのにはそれなりの覚悟が必要だと思います。しかし、だからこそ想像を超えた大きな可能性が見えてくるのだと思います。

すべてのリスクを完全に把握して投資判断することは不可能です。しかし、スタディ・ツアーでは厳選された現地のパートナーに厳選された物件を紹介してもらい、出来る限り客観的な視点を提供できる仕組みを作るよう努力しています。最大限の判断材料を提供して、納得できる判断をしていただくのが目的です。

次回のスタディ・ツアーは、10月に再びカンボジア、そして11月にフィリピンを予定しています。毎回素晴らしいメンバーに恵まれて、楽しく充実したツアーになっています。今年の年末にかけてのツアーも今から楽しみです。

今晩から、ベトナムのホーチミンに向かいます。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年8月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。