フランスでは病院に駆け込んだりして、ほとんど街中を歩きませんでした。食中りと思われる症状は幸い何とか回復し、8月11日からトルコのイスタンブールに来ています。
街中から離れた小高い丘にある滞在先は、フランス洋館を改造したという高い天井のゴージャスな内装。屋上にあるテラスレストランでは、ターキッシュフレンチも食べられます(写真)。パリに比べると塩が弱いのでパンチに欠けますが、リーズナブルなのが新興国ならではのメリットです。
空港に到着してから、タクシーで宿に向かったのですが、支払の時にトルコリラが足りなかったので、ホテルのフロントで両替してくるから待っていて、とドライバーに伝えると、ユーロでもOKと言われました。50ユーロの大きなお金しかないと言うと、今度は米ドルでも大丈夫だと言ってきます。結局、米ドルで30ドルを支払うことにしました。
通貨の違う国を旅行していると面倒なのが両替です。手間がかかるだけではなく、コストもバカになりません。
パリの街中にある両替所では、換算レートが152円だったりしますから、手数料が10%かかっています。現金を両替するのは高コストですから、支払は極力カードにしていますが、それでも現金しか受け付けないお店がありますから一定の現金を持つ必要があるのです。その結果、手元には中途半端な金額の各国の通貨が残ることになります。
米ドル、カンボジアリエル、ベトナムドン、ラオスキープ、ユーロ、そしてトルコリラ。どのお札にどのくらいの価値があるかよくわからなくなってきました(笑)。
もし、タクシーの運転手さんが仮想通貨を受け取ってくれたら?と考えてみました。携帯は今や新興国の人でもほとんどが持っていますから、携帯上で仮想通貨をトランスファーすることは、ネットさえWiFiでつながっていれば、その場で可能です。換算レートも画面で確認できますから、正確な金額を送ることができます。
そんな決済が当たり前になれば、手数料の高いクレジットカード決済を受け入れていないお店やタクシーでも通貨の壁を越えて簡単に支払ができるようになります。
果たして仮想通貨のような新しい決済手段で通貨の壁を低コストで越えられる時代がやってくるのでしょうか?仮想通貨のこれからについては、楽観的な意見と悲観的な意見の双方が対立しています。これはインターネットの黎明期に似ていると思います。正確で客観的な知識を入手して、迅速に判断して行動することが極めて重要だと思います。
7月に開催して好評だった「仮想通貨セミナー」ですが、9月に慶応義塾大学の小幡績氏を講師に別の切り口から考えてみたいと思います。アカデミックな側面から見た仮想通貨の可能性とリスクについてです。小幡氏は東京大学を首席卒業、大蔵省(現財務省)勤務の経験を持ち、ハーバード大学で博士号を取得。仮想通貨を実務面も含めて語ることができる、数少ない経済学者の1人です。以前から行動経済学会などで面識があり、友人として対談をしたこともあります。今回特別にお願いしてセミナーの企画を実現しました。
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イスタンブールでは体調に気を付けて、不動産の視察をする予定です。またブログでご報告いたします。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年8月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。