こんにちは。フリーニュースディレクターの渡辺龍太です。今回は、ブラック企業として名を売ってしまったブラック企業業界に彗星のごとく現れた『たかの友梨社長』のニュースについて考えています。
まず、事の経緯をおさらいするために、日経の記事を見てみます。
公益通報者保護申し立て 「たかの友梨」従業員 :日本経済新聞
高野友梨社長が8月、仙台店の従業員を集め、女性が労基署に申告したことや組合による団体交渉を行ったことを非難。高野氏はその際「暴き出したりなんかして会社をつぶしてもいいの」と述べたという。
女性は2時間半にわたり威圧的行為を受け、翌日から精神的ショックなどで出社できなくなったと主張。
法律で守られている労働者の権利を主張しようとした従業員に対し、二時間も威圧したというのが事実なら法律違反のオンパレードです。なので、今まで高野社長がメディアで築いてきた、成功しているビジネスウーマンというイメージも粉々になってしまいました。
早速、高野友梨社長が世間にボコボコにされていく流れが出来つつあります。
「社員に軍歌を歌わせる」たかの友梨、パワハラ音源よりもブラックな女王気質|サイゾーウーマン
「たかの社長は、『出たがり』で、業界内で鬱陶しがられるところがあるんです。自社のCM発表会見などには毎回着飾って出席しています。2010年には、結婚・離婚騒動で芸能活動をセーブしていた沢尻エリカをCMに抜擢。『別に』騒動以来の会見に出席させて、芸能界復帰を演出しました。この会見は大きくワイドショーなどで取り上げられ、かなりの経済効果があったと思いますが、一時は報道陣と沢尻の間の窓口を買って出たり、やたらと介入してきたため、マスコミからはかなり煙たがられている存在です」(スポーツ紙記者)
しかしいつの間にか、沢尻との契約は終了。原因は、「東日本大震災後、復興支援への考え方の違い」(週刊誌記者)だったそうで、たかの氏が一方的に沢尻を見限ったという。
「マスコミ内では『あれだけ宣伝に利用しておいて、ポイ捨てするとは』とうわさになっていました。また、とあるパーティーでは、たかの氏がなぜか社員に軍歌を歌わせる場面を見たという記者もいます。ほかの客はかなり引いていたそうですよ。たかの社長は、自分の考え・思想に付き従わない者は、徹底的に切り捨てるというタイプの人物なのかもしれません」(同)
高野友梨社長はこれから先、ブラックの第一人者のイメージのある渡辺美樹氏以上のイバラの道を進まなければならない可能性が高いのではないでしょうか。
なぜなら、渡辺美樹氏は『俺と同じレベル・クオリティーで働け!』と社員を使う感じの社長で、仕事に関する情熱は伝わってくる物はあります。そして、金持ち自慢というような事をする人ではありません。
一方で、たかの友梨さんと言えば、メディアに盛んに登場して、自宅やら宝石やらを自慢していた印象です。 なので今後、たかの友梨さんの過去の発言などがほじくり返されたり、人間性批判の様な報道が過熱していく可能性は非常に高いと思われます。
もう既に、ブラック経営の浮いたお金で贅沢をしているという記事も出始めています。
たかの友梨社長「誰も知らないでしょ、36協定なんてね」 浮いたおカネで「ハワイに3軒目の別荘を10億円で購入」
高野社長の「労基法に沿っていたら会社が潰れる」という発言に厳しい疑問を投げかける声も大きい。違法行為が問題なのは当然だが、それによって高野社長が大きな利益を得ていた可能性が高いというのだ。
2008年に刊行された講談社のムック「セオリー」Vol.5は「リアルリッチの世界3」という特集を組んでいるが、高野代表は富裕層のひとりとして登場。見出しには「ハワイに3軒目の別荘を10億円で購入しました」という言葉が踊っている。
文中で「宝石も不動産もすべてキャッシュで買ってます」と豪語しているが、それが事実とすると、この豪華別荘も現金で購入したことになる。
高野社長は自社の知名度を上げる為に、テレビ番組への出演を積極的に活用して来ました。その理由は、上手くやればお金がかからないからだと思います。
例えば、テレビCMなどで知名度を上げる場合は、広告を流せば必ずお金が必要になってきます。しかし、”たかの社長の豪邸訪問”というような番組では、お金を支払うどころか、出演料など、お金ををもらうという方向になっているはずです。
高野社長の様な有名社長となるには、メディアが取材したくなる様な情報を常に出し続ける必要があります。なので、高野社長の豪華な生活ぶりというのも、メディアが取材したがる様にするための、自社のPR活動の一部の様な意味合いがあると正当化していたのかもしれません。それもそのはずで、自分が贅沢をして注目が集まるなら、広告費なんてバカバカしくて払えなくなって当然です。
しかし、そうやって格安でメディアを使っていると、何か起きた時のしっぺ返しは凄まじい事となってしまいます。過激な発言でメディアを引きつけ、時代の寵児と持ち上げられていたホリエモンは、最終的には、他の会社なら逮捕も立憲もされない様な事で刑務所にまで行く羽目になってしまいました。
さて、日本全国の中小企業の社長は、高野社長と労働者に関して同じ様に扱っている人も沢山いると思います。そして、労働基準監督署などに申告された会社も沢山あると思います。でも、そういう会社の社長は有名でないので、高野社長より叩かれません。
やはり、リスクとリターンというのは比例するのでしょう。格安で有名になった高野社長に何かが起こると、一般的には些細な事でも大きな爆弾となってしまいます。なので、高野社長は、これから莫大な”有名税”を支払う事になるでしょう。
渡辺 龍太
WORLD REVIEW編集長
主にジャーナリスト・ラジオMCなどを行なっている
著書「思わず人に言いたくなる伝染病の話(長崎出版)」
連絡先:ryota7974アットマークgmail.com
Twitter @wr_ryota
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編集部より:この記事は渡辺龍太氏のブログ「ネットメディアプロデューサー 渡辺龍太のブログ」2014年9月2日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はネットメディアプロデューサー 渡辺龍太のブログをご覧ください。