女たちの戦争と平和資料館なる団体が、『文藝春秋』10月号の塩野七生氏のエッセー「朝日新聞の“告白”を越えて――『慰安婦大誤報』日本の危機を回避するための提言」に対する質問状を出している。
塩野氏が、この問題についてよく知らないことは明らかだ。彼女は「オランダの女も慰安婦にされたなどという話が広まろうものなら、日本にとっては大変なことになる。そうなる前に手を打つ必要がある」と書いているが、このインドネシアの事件はすでに90年代に騒がれた話である。編集部も、注意すべきだった。
その点では質問状の指摘は正しいが、このスマラン事件は日本軍の命令ではなく、軍紀違反である。現地の将校や兵士が女性を慰安所に入れて暴行したことは事実だが、この報告を受けた第16方面軍は慰安所を閉鎖し、彼らは戦後の軍事裁判で有罪とされた(最高刑は死刑)。この事件は日本軍が慰安婦の連行を禁止していたことを示しているのだ。
この質問状を書いたのは、元NHKの池田恵理子氏である。彼女は2000年に女性国際戦犯法廷なるものを主催し、昭和天皇に欠席裁判で「強姦罪」を宣告し、NHKで放送させた張本人だ。この模擬裁判の検事は北朝鮮の工作員で、証人は吉田清治と同類の嘘つきだった。この責任をどう考えるのか。塩野氏に質問する前に、池田氏が答えるべきだ。