今年のCEATECは「車載・メガネ・健康」

アゴラ編集部

毎年この時期に開催されている「CEATEC JAPAN」なんだが、今年は10月7日(火)から11日(土)まで千葉県の幕張メッセで開かれていました。6日のメディア向けコンベンションは台風18号により一端は中止、というスタートになったんだが、来場者数は去年より約1万人増えた15万人強だったらしい。出展社数も少なく「目玉技術がない」と言われていたわりに、会場へ足を運んだ人が多かったイベントでした。


当方も台風のため、6日のメディアコンベンションへ行けず、10日に取材しました。駆け足でザッとまわった印象では、ロボット制御や話題のLED、4K8Kなど映像技術はあるものの、目立ったのが「車載・メガネ・健康」の三つでした。

車載に関しては、運転認知システムのマツダ、全周囲俯瞰カメラのClarion、運転者タッチパネルの京セラ、AR対応ヘッドアップディスプレイユニットのパイオニア、対話型車両エージェントのdocomoなどの運転者支援技術があります。これらは、今後の本格的な自動運転へ向けた要素技術となるんでしょう。
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上からマツダの運転認知システム、パイオニアのAR対応ディスプレイ、docomoの対話型車両エージェント。

メガネは、いわゆる「ウェアラブル」をどう「カタチ」にするか、という点でのとりあえずの回答、という技術が多く、やはりGoogleの「Google Glass」を意識して開発した、という事情がありそうです。多くの人が訪れていたのが、東芝の「東芝グラス」のブースです。担当の方は、当面は市販せずBtoBで提供する、と言っていましたが、メガネの蔓の部分にMHLの入力端子があり、そこへパソコンやスマホなどから画像を転送し、視覚上へメガネに映し出す、というもの。MHLへの入力コードが必要で工場などでの組み立て作業支援などに応用できる、とのことでした。
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上から東芝の「東芝グラス」、エプソンの「MOVERIO」。

メガネ型の中でも興味深かったのは、経産省のNEDOブースにあった「QDLaser」という会社の「レーザアイウエア」です。瞳孔にRGBレーザを入れ、網膜走査させる、という技術で視力に影響されず、高輝度、広視覚、スルー画像などを実現。これもコードがついているものの、小型軽量省電力で完全なウェアラブルも可能とのことでした。
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QDLaserの「レーザアイウエア」。

健康のための技術は、高齢化社会と将来の社会保障システムを見据え、低コストを実現させた幅広い受益者のための技術が多く見られました。シャープ、東芝、富士通、オムロン、エヌ・ティ・ティ・アイティなどが出典。スマホなどの携帯端末で自分の健康状態を把握できるものから、電子カルテなどの医療支援システムなど、多様なものが展示されていました。

このほか、手話をこなす東芝の人間そっくりヒューマノイド「地平アイこ」やオムロンの「卓球ロボット」などのロボット技術も注目を集め、また自動車メーカー各社が燃料電池の技術を展示していたのが目立っていました。東芝のロボットは大阪大学の石黒浩教授らの研究室と協力して作られたもので、モデルは東芝の女性社員を少しアレンジして実現したそうです。
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上から東芝のヒューマノイド「地平アイこ」、オムロンの「卓球ロボット」。

CEATECは国内の景気も占う、とも言われているんだが、出展社数が減少、というのは気になるところです。しかし、去年よりコンパニオンの数も少しだけ多くなった気がするので、このあたりは早計に判断できないでしょう。技術開発費が低減しつつある中、日本の技術力の方向性もわかるCEATEC。「車載・メガネ・健康」というキーワードからわかることも多そうです。

レスポンス
出展社数は過去最低ながら登録来場者数は6.8%増


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古典的SFというのは、産業革命頃、100年くらい前に我々が生きている100年後の未来を予想したものが多いようです。世紀末の世相を反映したのか、社会の急激な変化に途惑ったのか、ジュール・ヴェルヌのような世界観が読者や視聴者に受けたんでしょう。「火星人襲来」や「宇宙戦争モノ」も大戦争の予感という何か得体の知れない大衆の恐怖心が背景にあるような気がします。第一次世界大戦はまさにそうした恐怖心が現実化されたものだった。第二次世界大戦になるとSFっぽさが薄れてくるような気がするんだが、我々の時代に誓いからでしょうか。この記事が紹介している英国の「HISTROY」では、第一次世界大戦を火星人との戦争に重ね合わせ、当時の写真に火星人を合成しています。どこか懐かしい不思議な世界観です。
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横浜「三塔」の一つ「クィーン」こと横浜税関庁舎


アゴラ編集部:石田 雅彦