日本で暮らしているとあまりピンとこないんでしょうけれど、今この時間にも世界の経済格差が刻々と広がっているかもしれません。表題の記事で紹介している貧困問題を解決するための世界的機関「OXFAM」の「WEALTH: HAVING IT ALL AND WANTING MORE」というレポートによれば、世界の半分の人が保有している富と同じ額を持っている億万長者の数が、2010年には400人弱だったのが、翌年2011年には約半分になり、2014年には80人ほどに激減しているそうです。
ただ、その一方で発展途上国の賃金も上がっているのも事実です。ごくごく少数の億万長者に富が集中し、世界的にみると地域や各国間の格差が縮小している。「Forbes」の記事によれば、上位の億万長者の90%が男性であり、30%が米国の国籍を持っています。トマ・ピケティの『21世紀の資本』には、富の集中と偏在は経済成長を阻害する、と書いているらしい。とりわけ経済格差が極端に進んでいる米国では、オバマ政権が累進課税の強化を訴えています。しかし、上下院で多数を占める共和党がそれに応じるとは思えません。
金持ちを優遇したほうが経済がよりまわる、という主張もあります。一方で、少数の金持ちが使える額はたかがしれているので大衆の購買力を上げたほうがいい、という考えもある。しかし、どちらも極端に振れ過ぎると摩擦が生じ、社会が不安定化する要因になります。富の再分配は政治や行政の責任、とも言え、すでに税が不定期な王権の掠奪として代替していた時代ではありません。
QUARTZ
Eighty rich people now have as much wealth as 50% of the rest of humanity combined
Constant Conflict: Fundamentalist Zionism and the Roots of Modern Terrorism
21st CENTURY WIRE
アラブ・イスラム世界、混乱する中東地域に紛争のタネをまいたのは、シオニズムと英仏などヨーロッパ諸国だった、という記事です。イスラム・テロやイスラム国もたどっていけば、この問題にいきつきます。ようするに、19世紀から20世紀初めまでの欧米列強による帝国主義で、広汎なイスラム圏に勝手に国境が線引きされ、各宗派の対立が助長され、アフガン紛争で旧ソ連を弱体化させるために米国などがイスラムのテロリストを育てた、という背景がある。こうした根本を直視せず、単に反テロや反イスラムだけを声高に攻撃しても解決できません。とりわけシナイ半島に打ち込まれたイスラエルという「クサビ」が、問題をより複雑で根深くしています。フランスで起きたテロもユダヤとイスラムの戦いの延長にあるのでは、というわけです。
Zionist Jews Invented Modern Terrorism
The Future People push the boundaries of human-powered transport
gizmag
ペダルをこいで進む人力自動車について書いている記事です。セダン型の三輪ないし四輪の車で、人力を補助するための750ワットのモーターを後輪にそなえているらしい。車体はポリカーボネートで徹底して軽量化され、車重は123kg。米国ではほとんどの地域で車道を走らせることができるそうです。日本では難しいかもしれない。雨に濡れない三輪車、というわけです。
A Huge Batch Of Unseen WWII Photos Have Been Discovered And Restored
io9
第二次世界大戦中の欧州戦線の記録フィルムが31本、新たに発見された、という記事です。米軍兵士が撮影したものが、米国オハイオ州のオークションに出されたらしい。フィルムの保存缶に貼られていたのが、まったく無関係のタバコなどの名前だったため、これほど重要な記録が70年以上も見つからなかったそうです。ナチスドイツが鹵獲して使用したフランス製の戦車の姿も見ることができます。
All photos: Levi Bettweiser/Rescued Film Project.
Nintendo to close Club Nintendo & Stars Catalogue ahead of new programme
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
任天堂の会員制サービス「クラブニンテンドー」が今年2015年9月末日でサービスを終了するようです。会員数は約620万人。世界中のファンやユーザーに親しまれてきたサポートサービスでした。4月20日で新規入会も終わります。昨年3月期に三期連続で赤字を計上した任天堂。家庭用ゲーム機の終焉序曲でしょうか。ただ「ニンテンドーネットワーク」のほうは継続するようです。
アゴラ編集部:石田 雅彦