こんにちは!フリーでネットからテレビまで、様々なニュースを制作をしている渡辺龍太です。(@wr_ryota ryota7947 アットマーク gmail.com)
最近、新聞社の発行部数が不祥事やネットの影響で、激しく減っています。新聞は今後、どんなメディアになっていくのでしょうか。それを予測するため、まだ新聞に今よりも影響力があった、2008年の世界の新聞発行部数に注目してみましょう。読売新聞は世界一位で約1400万部、朝日新聞は第2位で約1200万部といいう結果になっています。一方、ニューヨークタイムズは、たった100万部程度です。(2008年 世界の新聞発行部数ランキング)
記事を作る側として、朝日、読売と、ニューヨークタイムズの記事を作るのには決定的な違いがあります。国民の1割以上も購読するような読売や朝日の記事の場合、内容は誰もが分かる内容で、かつ興味をそそられる記事をつくる必要があります。
一方、人口約3億のアメリカのニューヨークタイムズの読者は、人口の約0.3%にすぎません。つまり、NYTに必要なのは、あえてNYTを購読している読者を満足させるという事です。要するにNYTを読んだからこそ分かる、やや専門的な記事を作る必要性が生まれるのです。
この違いが、日本の新聞が海外の新聞に比べて、ちょっと内容的に頼りないような言われ方をする理由です。世間では、海外と日本の新聞の質の違いを、日本の新聞記者の質が低い事が原因と指摘する人もいます。ですが、ビジネスの構造的な違いがあるから、海外の新聞記者と作ろうとしている記事が違うというのが実際の理由だと思います。どこの国だって、一部の人しか興味もないし、理解もしないような質の高い専門性の高い記事を国民の一割に読ませるという事は不可能なはずです。
さて、今後、読売も朝日も発行部数は、ますます減っていくとおもわれます。そうなった時にどうなるのかといえば、読売も朝日も「誰でも分かる内容」という紙面作りを卒業しなければならない瞬間に直面するという事です。なので、将来的に読売も朝日も、今よりも相当偏った内容を扱う新聞となるでしょう。朝日新聞に関しては、どう偏っていくのかという予想を単行本で分析してみました。来週発売なので、もしよかったら覗いてみてください。
いずれにせよ、これから先、新聞というメディアは、「あえて、毎月数千円払って、新聞を買う!」というちょっとクセのある人たちの為の媒体になっていくはずです。そのため、将来的には読売も朝日も、どの方向に転ぶかは意見が割れるところですが、現在からは想像も出来ないようなマニアックな紙面になっているはずです。
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渡辺龍太:NHKや民放で、海外向けの英語放送から国内向け放送まで、様々なニュース番組の制作に関わる。現在、それらに加え、ネットニュース、書籍、有名タレントのメルマガやブログの企画プロデュースなどを行い、商業メディアのマーケティングや売り上げと日々格闘している。
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