いわゆる「イスラム国(IS)」の脅威は、日本人の人質殺害によって一気に我々の身近なものになりました。しかし、イスラム圏からの移民が多い欧米各国では日本の比ではないようです。2月17日には、英国の少女3人がイスラム国へ参加するため、シリアへ向かいました。画像などを見る限り、彼女たちはイスラム系のようです。
表題の記事では、英国の警察当局がトルコで捜索してきた、と書いています。彼女たちが帰国しても逮捕される可能性が高い。シリアへ向かった時点でかなりおかしくなっていると思われますが、イスラム国で思想的に「汚染」されてきたかもしれないからです。
イスラム国は、米国を中心にした有志連合の空爆などで衰退しつつある、という情報がある反面、イラクのバグダッドなど中枢部では攻勢を強めている、という報道もあります。また、リビアなどの北アフリカ地域へも影響力を広めている。一方、イスラム国内の「戦力」を保持しつつ、思想的に「洗脳」した戦士を欧米へ送り返し、潜行させているようです。こうした「細胞」が、獅子身中の虫として欧米に帰ってきている。彼らがいつ「暴走」するか予断できない状況になっています。
イラクにせよリビアにせよシリアにせよ、米国を中心にした「民主化」勢力が独裁政権を武力で倒し倒そうとし、その結果、諸地域が混乱に陥っている。独裁政権に対抗する反政府勢力へ欧米が武器を供与し、もともと過激なイスラム原理主義である反政府勢力が逆に脅威になっています。
中東、アラビア半島の先端にある紅海の出入り口、イエメンではシーア派が伸長し、アルカイダ系武装勢力によるクーデターが起きています。アデン湾の向かい側、ソマリアのアルカイダ系の過激派は隣国ケニアでテロを繰り返している。ソマリアといえば、リドリー・スコット監督の映画『ブラックホーク・ダウン』で描かれたように1993年10月に米軍兵士が虐殺され、遺体が引きずり回され、米国人の深いトラウマになっています。ソマリアの武装勢力は、つい最近も米国のショッピングモールを狙ったテロをほのめかし、米国内は緊張に包まれているようです。
いずれにせよ、オスマントルコの圧政時代から欧米による植民地支配、石油利権の争奪と、近世以降のイスラム圏とその住民は長く政争によって翻弄されてきました。独裁政権はこうした諸地域を当面の間、収集させておく次善のシステムだった。独裁という重しがなくなれば、テロリスト勢力の天下になってしまう。このリンケージをどこかで断ち斬らなければなりません。
VICE NEWS
British Police Fly to Turkey to Search for Three Teenage Girls ‘Trying to Join Islamic State’
Three simple things shown to help heal cancer
Natural News
なにやらトンデモな感じがする記事ですが、がんの進行を遅らせるための三つの簡単な処方を紹介しています。一つは「果汁断食」。免疫系を強化するらしい。また「大麻オイル」は細胞の自死であるアポトーシスを促し、がんの転移を遅らせる。さらに「コーヒー浣腸」。がん細胞の除去を助ける作用があるようです。ちょっと眉にツバをつけながら読みましょう。
25 classic science fiction movies that everybody must watch
io9
絶対に見るべき傑作SF映画、1927年の『メトロポリス』を含む25作品を紹介している記事です。25も並べば異論反論も少なくなりそう。これはまだ見てないなあという作品もあれば、私ならこれを加える、という人もいるかもしれません。しかし、これらの作品群を眺めていると大きく、宇宙モノ、近未来モノに分かれることがわかる。我々は未知なるものをSFで描いてきましたが、ロボットの時代はまだ遠く、宇宙開発も少し覗いてみたばかりです。SF作品で描かれる近未来はユートピアでもなければ薔薇色でもありません。
Treasure trove of ancient gold coins is the largest haul ever discovered off the coast of Israel
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
イスラエルの海岸沖の海中で、2000個ほどの金貨が発見された、という記事です。アマチュアのスキューバダイバーが潜っていると大量の金貨が海底にあり、最初はオモチャだと思ったらしい。しかし、イスラエルの文科省文化財庁が調べてみると、10世紀から11世紀の本物の金貨だということがわかりました。この金貨、当時、中東から北アフリカにかけて支配していた「ファーティマ朝」の兵士の給料。今、いわゆるイスラム国(IS)が主張しているカリフ国の一種です。
1000年以上も前の金貨がイスラエル沿岸の海中から発見された。写真:Israel Antiquities Authority
Apple needs to look to Tesla and Carlos Ghosn if it really wants to build a car
QUARTZ
米国アップルはどうも本当に電気自動車の分野へ進出するようです。電池の技術開発を積極的に進め、関連特許の取得も激増しているらしい。また、世界中の電池技術者を引き抜いていて、その中には米国の電気自動車ベンチャー、テスラの人間もいるようです。この記事では、アップルが電気自動車を作りたいなら、テスラはもちろん日産の技術、さらに自動車産業特有のデザインにも目を向けるべきだ、と書いています。
アゴラ編集部:石田 雅彦