「上京詐欺」被害の背景とは

アゴラ編集部

いわゆる振り込め詐欺などの「特殊詐欺」の被害額が2014年に過去最高の559億円になったとか、こうした特殊詐欺で「受け子」と呼ばれる少年の逮捕者も過去最高の311人になったとか、チャット系SNSを使った振り込め詐欺が横行しているとか、はたまた女性タレントのバングラデシュ出身の父親が海外医療費の詐欺罪で有罪判決を受けたとか、詐欺についてのニュースがなくなる日はありません。最近では、地方の高齢者が東京で就職している子や孫を騙った犯人から羽田などへ呼び出され、都内で大金をだまし取られるという「上京詐欺」まで発生しているようです。


特殊詐欺では、不特定多数の被害者へ電話などをかけ、ひっかかりそうな相手を物色するようです。上京詐欺では、地方から東京へ出ている子や孫がいるであろう高齢者を狙っている。被害者を物色するのも手間暇がかかるので、なるべく効率的に「カモ」を探そうとします。つまり、それだけ多くの子や孫が地方から都会へ出ている、ということにほかならない。今日の国会で、いわゆる「地方創生」のために地方大学の活用や地元で就職する学生の奨学金を軽減するという論戦が行われていたように、上京詐欺も人口減少する地方の現状をあらわしている、というわけです。

一方、これだけ警察や行政、マスメディアで特殊詐欺の被害が啓発され喧伝され報道されたせいで、都会の高齢者はなかなか詐欺に引っかかりにくくなっているという側面もあるでしょう。羽田空港で被害を未然に防いだケースでは、航空会社のグランドスタッフが不安そうにしている高齢者に声かけをし、幸い発覚したこともあるようです。過去最高の被害額が毎年更新されている特殊詐欺。他人への関心が薄れている時代背景もあるようで、空港スタッフのように、我々も「一歩踏み込んだ」対応が必要なのかもしれません。

Gigazine
Apple Payを使った詐欺が横行、予想だにしなかった驚きの手口とは?


We’re not kidding! Police helicopter crew scrambled to gorge find… goats
the guardian
「We(You) are not kidding」という慣用句は「マジだぜ」くらいの意味のようです。英国の警察ヘリが、西部イングランドにあるチェダー渓谷から発せられた「悲鳴が聞こえた」という「999」コールで出動したところ、ヤギの親子を発見した、という記事です。渓谷のあるチェダーは、チェダーチーズが名産で洞窟探検やロッククライミングのメッカらしい。野生のヤギも棲息し、1万年前の人骨が完全状態で発見されたことでも有名です。

チェダー渓谷のHPより。

Tesla Model S Comes With Secret James Bond Homage
POPULAR SCIENCE
タイトルの「Homage」は、フランス語の「hommage」オマージュの英語版です。このオマージュという言葉は便利なもので、明らかな真似や模倣、コピーでも「これはオマージュだ」といえば通用したりする。ただ、リスペクトする場合にも使われ、表題の記事では米国テスラ社のイースターエッグを紹介しています。操作系の隠しコマンドになっていて「007」と打ち込むと、映画『007シリーズ』のような機能設定画面が出てくる、という仕掛け。海の中にまで潜水することができる、というのはオマージュです。

Hidden Tesla Easter egg – how to make your Model S submersible.

Past presidents gave warnings to America
WND
1789年のジョージ・ワシントンから1965年のリンドン・ジョンソンまで、米国の大統領の就任演説から「警句」を紹介している記事です。しかし、こういうのを読むと米国というのは基本的にキリスト教国だということがよくわかる。たとえば、ジョン・F・ケネディの1961年1月20日の就任演説の中にある「the belief that the rights of man come not from the generosity of the state but from the hand of God」とかエイブラハム・リンカーンの「As was said three thousand years ago, so still it must be said ‘the Judgments of the Lord are true and righteous」とか。国民の8割がキリスト教徒なので、ほかの宗教の教徒はおそらく大統領候補の指名選挙でさえ勝てないでしょう。米国も一種の「宗教国家」というわけです。

Research suggests Mars once had more water than Earth’s Arctic ocean
PHYS.ORG
地球ができたころと同じくらい昔の火星について書いている記事です。当時の火星は、現在の地球の北極海より多くの水を保有し、火星の北半球をおおうほどの海があったらしい。それはすでに揮発して宇宙空間へ放出されてしまいました。この水分が火星の地表下にまだ少しは残っているとすれば、将来の火星への「移住」もかなり実現性が高くなる。NASAは2030年代に火星往復の有人宇宙探査を企画しています。

数十億年前の火星には広大な海があった。Credit: NASA/GSFC


アゴラ編集部:石田 雅彦