昨日のニューヨーク外国為替市場では円が下落。1ドル=120円80~90銭で取引を終えました。一時は121円台前半までドルが上昇。昨年12月8日以来の円安・ドル高水準となっています。果たして、為替はこれからどうなるのでしょうか(チャートは日経電子版から)。
今回の円安の要因は、アメリカの金融政策に対する思惑です。昨日発表されたアメリカの雇用統計によって労働市場の力強い回復が確認されたことから、FRB(アメリカ連邦準備理事会)での利上げ観測が台頭。それを見越して、金利が上昇し。日米の金利差が拡大するとの見方から、ドルが上昇しました。
雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で29万5000人増加して、市場予想(24万人程度)を大きく上回りました。また、同時に発表された失業率も5.5%と、前月から0.2%低下。アメリカの景気は、原油価格の下落の恩恵もあって予想以上に強いようです。
金利の上昇は株式市場にはマイナスの影響があるとの見方からアメリカの株式市場が下落し、ドルも120円台後半で取引を終えましたが、来週以降一段のドル高円安の可能性も出てきています。
いつも申し上げていることですが、為替を考える上で大切なのは、「為替レートの予想」ではなく「自分のライフスタイルの予想」です。ドル円が、1ドル=130円になるかならないかを当てることよりも、もし130円になったら、自分の生活はどうなってしまうかを考えておくべきなのです。
これから円高になるか、円安になるかわからないのであれば、円資産と外貨資産を半分ずつ保有するのが合理的です。円資産100%で資産を保有している人はこれから絶対に円高になると強い確信を持っている人が取るべきポジションです。
円安になると何となく思っているのに、円資産の比率が圧倒的という人は、思っていることと、やっていることがズレている状態ですから、すぐに修正しなければいけません。資産デザイン研究所メールでは、外貨資産の正しい構築の方法についても情報提供しています。これからの為替動向と、今やるべきことが気になる方は読んでみてください。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。