「三無」の先に成功なし

北尾 吉孝

トーマス・エジソン(1847年-1931年)の言葉に、「人生に失敗した人の多くは、諦めたときに自分がどれほど成功に近づいていたか気づかなかった人たちだ…Many of life’s failures are people who did not realize how close they were to success when they gave up」というのがあります。


大天才のエジソンであればこそ、こうした議論が出来るのだろうと思います。彼は「いちばんいけないのは、あきらめること。成功するためには、とにかくもう一度チャレンジしてみればいい」と言いますが、成功に全く近付くことなくどんどん離れている人も結構いるのが実際というものです。

昨年7月のブログ『夢想家、起業家、事業家』の中でも「三無」ということを述べたように、私が見ている限りそもそも多くの人は「三無」であって此の人達がそのまま成功するとは私には思えません。

起業家で言えばその中には夢想家が沢山いますが、なぜ事業家になれずに夢を見るだけの夢想家で終わってしまうのでしょうか。それは、第一に知識が無いということ即ち勉強が足りないということ、第二に言葉だけで勇気を持った実行力が無いということ、最後に戦略が無いということ、つまり上記した「三無」だからです。知識が無ければ戦略を策定するところまで行かず、知識を発展させ実行力を伴う見識を持つこと即ち知識を胆識に高めることも出来ず、故に夢が実現することはないのです。

そういう意味ではまたエジソンは、「成功しない人がいたとしたら、それは考えることと、努力すること、この二つをやらないからではないだろうか」とも言っています。先ず第一に「三無」を改善すること無く、現実問題として冒頭のエジソンの議論は成り立たないと思います。

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