朝日新聞、書籍広告拒否の自主規制を体験

渡辺 龍太

去年、池上彰さんは朝日新聞のコラムに、朝日は誤報を認めただけでなく謝罪をすべきだと掲載しようとしました。すると、朝日新聞は自社に都合の悪い事は載せたくないと、掲載を拒否したのです。

その結果、朝日新聞のコラムは今後書かないと池上さんが言い出しました。そして、朝日新聞は世間から大バッシングを受けました。それに負けた朝日新聞は、最終的にはコラムの「掲載を見送った事は誤りだった」と謝罪し、やっぱり掲載するという騒動がありました。


それから、朝日新聞の体質は変わったのでしょうか?変わったには変わったようですが、どうやら余計に誤報関連の情報に目を光らせて、自主規制を強めているようです。

というのも、先日、朝日新聞の折り込み広告で私の朝日新聞に関する書籍の宣伝しようとしました。すると、残念ながら広告を受け付けてくれなかったのです。

まず、私の本のタイトルを見てください。


別に朝日新聞に対して中傷している訳でも何でもありません。実際、中身も朝日だけでなくテレビ業界の話なども豊富にしていて、”商業メディアと誤報の関係”というのを独自に論じています。

以前に週刊文春が広告掲載拒否になった、

「朝日新聞『売国のDNA』」

という様なのとは、まったく性格が違うと思います。

※本の中身の雰囲気を知りたい方は、私と池田信夫先生が本書について対談しているので、こちらをご覧ください。

www.youtube.com

今回、月島の朝日新聞販売店に、書籍の折り込み広告を依頼しました。すると、こう言われたそうです。

『月島エリアには朝日新聞に勤めている人が何人もいますから、バレたらマズイので出来ません。』

その断られ方には、違和感を覚えずにはいられませんでした。100歩譲って、朝日新聞本体が『今後、朝日新聞に関して論じている本の広告は受け付けない』という方針を打ち出したのなら納得です。

ですが、月島の新聞販売店の人がタイトルを見ただけで、朝日新聞の人の耳に入れてはいけない書籍だと自主規制するのには納得がいきませんでした。

ここから先は推測の話になります。私に対して月島の販売店が、こういった対応を行っているという事は、恐らく朝日新聞社員が相当ピリピリと関連する人や団体に自主規制を強めろという圧力をかけているのではないでしょうか。そうでなければ、社員にバレたらマズイという様な言い方にはならないと思います。

要するに、朝日新聞が池上彰さんのコラムの掲載をしなかった事が誤りだったと謝罪したのを別の言葉に言い換えると、『人気者の大物の声を無視して申し訳なかった』という謝罪だったという事なのでしょう。それを、もっとわかりやすく言います。つまり、『多くの人が読みたい記事を掲載しなくてすみません』という意味なのです。

よって、大勢のファンがいるわけでもない私の書籍などは、ニュートラルな議論でも無視されるのです。つまり、朝日新聞は世間の注目を浴びる記事を書きたいと、不十分な取材で慰安婦の記事を掲載した30年前の体質と、今も何ら変わってはいないのです。

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朝日から学べる生活の知恵
『基本的に企業の体質というのは、人間の性格の様に三つ子の魂100までと思って良いでしょう。なかなか自力で変えられるものではないのです。人間が結婚などの外的要因でしか性格が変わらない様に、企業も合併や買収などが起きない限り体質が変わる事は無いと考えるのが妥当です。』