ニトリ社長の連載がドラマ化なら主演は誰がいい?

新田 哲史

どうも新田です。本業では、お値段以上のサービスを常々心掛けております。ところで大塚家具のお家騒動で、久々に大衆の余興ネタを提供してくれている家具業界ですが、金融ブログ界の貴公子、ノーブル内藤さんが先日ご紹介した通り、今度は、日経新聞の「私の履歴書」で連載中のニトリの似鳥社長の回顧録が面白すぎて日本中の家具ヲチャーから経営者クラスタまで歓喜の嵐が吹き荒れております。


■とうとう週刊現代でも取り上げられる
「自分の名前を漢字で書けなかった」少年期の劣等生ぶりは言うに及ばず、チャリンコに乗るきっかけがヤミ米配達だったとか(それも両親から自転車乗れるまでスパルタ特訓)、高校の合格を勝ち取るために校長にヤミ米を届けたとか、大学の編入試験をカンニングでパスしたとかハチャメチャぶり。ここ一週間は家具店の起業に話が移ってきて経営が軌道に乗るかと思いきや、昨日(15日)なんか横領している酒乱の営業部長が逆ギレして家に乗り込んできて、アメリカ出張で奮発して買った「ナポレオン」を飲み干されるという、重松清さんでも思いつかないんじゃないか的な展開にくぎ付けです。

絶賛しているのは、プリンス内藤だけではありません。一昨年夏に上場した写真系IT企業のF社では日経新聞の読みあわせを経営幹部の朝活の日課にしていたのが運のつき。似鳥社長の連載に社長も会長も声を震わせて読み上げて興奮冷めやらず、就業時間後もしばらく仕事に集中できないようです(すみません少し盛りましたw)。とうとう今週は週刊現代までも取り上げて似鳥社長に直撃インタビューを敢行。来週あたり現代ビジネスが当該の記事を発信するでしょうから、ネット界隈にまたガソリンが投げ込まれて、今月いっぱいはニトリブームは燃えてくれそうです。

■TBSでのドラマ化を熱望
これだけ盛り上がっているわけですから、テレビドラマ化を大いに期待したいところです。実は知る人ぞ知るマイナーな存在ですが、テレ東系列のBSジャパンでは密かに「私の履歴書」のドラマシリーズをやっているんですよ。でも、ドラマの制作実績が少ないテレ東、しかもBSコンテンツにとどめる話じゃないです。

そこで日経が業務提携先にしているTBSにぜひ乗り出していただきたいところ。重松作品や山崎豊子作品など昭和の世界を撮らせたら業界ピカイチの福澤克雄さんに演出をお願いして、「また場面転換で太陽が沈むのかよ」的なツッコミを忘れさせるほどの盛り上げを期待します。

それで肝心の似鳥社長役のリクエストですが、タレント図鑑とか眺めながらもいろいろ悩みましたよ。日曜劇場クラスの枠でオンエアの起業家物語となると、佐藤浩市さん(トヨタ創業者役)とか堤真一さん(サントリー創業者役)とか、はたまた西島秀俊さん(1月クールの福澤作品で主演)のようなカッコいい俳優さんがすぐ思い浮かびますが、似鳥社長ご本人が初回のコラムで「頭脳明晰のイメージとは逆」と書いていますように「ダメ男」像がフィットする役者さんのほうがいい。お父さんのコンクリート会社の仕事から逃げ出して家出したとか、創業当初は商品がさっぱり売れず日がな一日漫画雑誌を読みふけっていたみたいなシーンに合うかどうか。それでいて、後に成功する経営者として奥底に「芯」のあるキャラクターを演じれるかどうかです。

■北海道出身のアノ元政治家は面白い
物語のハイライトは青年実業家の頃になることを考えると、20代も40代も演じられる30歳前後。選挙の候補者と同じで数字が取れる人選となると、大河ドラマで主役経験のある妻夫木聡さんや松山ケンイチさん、「相棒」を卒業して新境地が期待される成宮寛貴さんのようなアラサーの実力者が順当でしょうか。「モテキ」でのダメ男ぶりが光った森山未來さん、元チビノリダーこと伊藤淳史さんらの選択肢も捨てがたいところです。

ただ一方で、ニトリは日本ハムファイターズやコンサドーレのスポンサーをやっていることからも分かるように、創業の地・北海道への郷土愛も深い企業。北海道出身で「ダメ男」といえば目下、大泉洋さんも浮かびますが、彼はオーバー40。話題性や新鮮味を求めると、旭川が生んだミスター・ダメ男、杉村タイゾーさんなんかどうでしょう。大下英治さんもかつて著書タイトルに盛り込んでいるように「政治家は役者」です。都心の大衆を前に演説はある種、演じていないと出来ない部分もあります。

大下英治
勉誠出版
2011-07-29




ちなみに、タイゾーさんとお友達の宇佐美くんの本によりますと、若気の至りで言ってしまった「料亭に行ってみたい」の印象とは違い、実はクレバーな一面もあるようで。

「いまできること」に一所懸命に取り組み、目の前の人の心を掴むことでチャンスを生み出してます。そしてミスをしても、等身大の自分を発信することで人生のストーリーを世間に浸透させ、一方で「投資運用」という技術もちゃんと持っています。出典『肩書き捨てたら地獄だった』(第5章・173㌻)


等身大の自分をさらけ出している似鳥社長との親和性、派遣社員⇒国会議員⇒タレント転身に至る適応力。ドラマ出演の経験も二度ほどあるそうなので、脇役に実力派を配置したら、俳優として意外に化ける可能性もあるような気がするのは私だけでしょうか。ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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