コミュニケーションに必要なのは話術ではなくやさしさ --- 内藤 忍

アゴラ

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話が上手だからといって、コミュニケーションが上手とは限りません。むしろ、良好なコミュニケーションに必要なのは、相手の立場から物事を想像できる力です。


相手に話を伝えるためには、自分の話し方を工夫するだけでは不十分です。それに加えて、相手の状態を知り、それに合わせたコミュニケーションの手段を慎重に選択していくことです。

もし、自分はきちんと説明しているのに、なぜか相手に真意が伝わらないとしたら、それは相手の都合を考えずに、情報発信している可能性が高いのです。相手を批判する前に、自分の側にやるべきことが無いか考える必要があると言えます。

人間はロボットではなく、感情を持っています。同じ話をしたとしても、ある時は相手に受け入れられ、ある時は拒絶されることのは、当たり前なのです。その原因は、自分の話し方自体の問題ではなく、相手の立場に応じた臨機応変な対応ができていないということです。

相手に合わせたコミュニケーションとは、突き詰めれば「やさしさ」ということなのかもしれません。やさしさが無い人には、相手を思いやる想像力がない。だから、円滑なキャッチボールが出来ないのです。

「やさしくない人には、コミュニケーションをする資格はない」

極論すれば、そういうことでしょうか。

自分自身を振り返ると、人前で話すことが多く、コミュニケーションは得意な方だとずっと思いこんできました。しかし、相手の立場になって考えるという観点は、意外にかなり欠如していると、思い知るようになりました。

今、成長するために必要なのは、能力を磨く努力ではなく、やさしさ?

つけとろ(写真)を1人食べながら、静かなお蕎麦屋さんで、そんなことを考えました。テンション高く、前に進む毎日も刺激的でエキサイティングですが、ゆっくり時間を取って、自分に何が足りないかを謙虚に考えてみる時間も大切にしなければいけませんね。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年4月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。