海洋を見張る「目」海自のP-1とは

武器輸出規制緩和をした日本は救難飛行艇US-2をインドへ売り込もうとしているが、もう一つの「目玉商品」が海上哨戒機P-1だ。英国が食指を動かしているP-1だが、ライバルは米国製P-8。日本は長く米国製のP3-Cを使っていたが、表題のブログによれば、対潜兵装などがブラックボックス化され、独自では整備できず、部品取りのために余分の機数をロッキードから購入し続けていたらしい。

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デザイン的にも秀逸な海上自衛隊のP-1哨戒機。写真:海上自衛隊HP


P-1は純国産のジェット機で、専用の海上哨戒機として開発された。米国のP-8は旅客機(B737)の転用だ。両方ともターボファンエンジンだが、P3-Cはターボプロップエンジンであり、中低速で高効率に長く飛行するためにはプロペラを回すターボプロップエンジンのほうがいい。海上哨戒機は高高度性能や高速性能がそれほど要求されないからだ。

ターボプロップエンジンでは、US-2に搭載されたIHIのものがあるが、これは外国製のライセンス生産になる。日本製の名機YS-11のターボプロップエンジンもロールスロイス製だった。日本のターボプロップエンジンの開発能力はあまり高くないのかもしれないが、広い海洋上で速く目標地点に到達するためにはターボファンエンジンの高速性能も必要なのだろう。

P-1の4発エンジンXF7-10は、IHIなどが開発した日本オリジナルだ。海上哨戒機のために、省エネで高出力が求められたらしい。4発にするため、サイズ的に互換性のあるエンジンが少なく、IHIが開発したものが使われた。米国のP-8はB737の改造版なので当然双発。なぜP-1が双発ではなく4発かといえば、洋上での生存率を期待しているためだ。過去には、不審船からP3-Cに向けて対空ロケット弾が発射された事例があり、エンジンが被弾して飛行できなくなるリスクを軽減する。

防衛省は、5月15日にこのP-1を20機、調達することを決めた。純国産の海上哨戒機の導入により、米国のブラックボックスに悩まされることなく整備でき、結果的にコストも軽減されるというわけだ。英国もP-1を欲しがっているようだが、今度は日本のほうがレーダー技術などの流出に頭を悩まさなければならない立場になるのだろうか。

世界のニュース トトメス5世
実戦配備に就いた国産哨戒機「P-1」の開発


President Obama gets an official Twitter account
QUARTZ
米国のオバマ大統領がTwitter公式アカウントを取得した、という記事だ。プロフィールには「父親、夫、米国の第44代大統領」と書かれている。以前からの「Barack Obama」アカウントは、彼自身のものではなく非営利団体が作成したもの。こちらも彼自身のアカウントを紹介し、歓迎している。オバマ大統領アカウントは、現在65のアカウントをフォロー。The First Ladyオバマ夫人やホワイトハウスはもちろん、ジョン・ケリー国務長官、ライス元国務長官、ビル・クリントン元大統領、ジョー・バイデン副大統領、コロンビア大学、ハーバード大学、シカゴのプロスポーツなどだ。この相互フォロワーを定点観測するとおもしろいことがわかるかもしれない。

Castel Discotheque @Hotel Okura Tokyo
Hotel Okura
1974年から六本木のスクエアビルの地下にあった会員制の高級ディスコが「Castel Tokyo」だった。閉店が1981年なので当方も含め、読者のほとんどは行ったことはないだろう。そもそもキサナドゥやエリアなどがあったスクエアビル自体、すでにない。Castelのメンバーになるのは大変だったらしいが、ホテルオークラ東京(曙の間)に7月23日(木曜日)の一晩だけ復活するそうだ。料金は一人1万5000円。どんな人たちが来るのか興味深い。
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当時のディスコCastel Tokyoの様子。ホテルオークラのHPより。

Prince Harry Caught And Wrestled A Crocodile While In Australia
BuzzFeeD
お兄さんは2人目の子を授かったのに、弟のほうはまだまだヤンチャのようだ。故ダイアナ妃の次男、ヘンリー・オブ・ウェールズ王子(Prince Henry of Wales)はオーストラリア北部に滞在中、ワニと格闘したらしい。薬物吸引や乱闘騒ぎ、差別的発言など、これまで何度もスキャンダルを起こしてきた王子だが、ワニ相手ならまだマシなほうかもしれない。
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3.1mのイリエワニを捕まえて会心の笑みを浮かべるヘンリー王子。Facebook: ParksandWildlifeNT

Why do men still exist? Scientists finally find the answer
The Telegraph
マンガ家ひさうちみちお氏の作品に、進化の結果、男性が単なる生殖器に足の生えた単純な生物に成り果ててしまう、という内容のものがあった。この記事では、男性の役割をせんつめれば単に精子の供給役にしか過ぎないのに、なぜずっと存在し続けていられるのか、という謎を研究者が解明した、と書いている。その理由は、男性同士の生殖に対する競争が健全な精子の生産に欠かせないから、というものらしい。最近の「草食系男子」や「絶食系」男子の子孫は、おそらく近い将来、絶滅してしまう運命にあるのかもしれない。


アゴラ編集部:石田 雅彦