にわかに2020年東京五輪に関連し、新国立競技場の話題がホットになってきました。
【東京五輪】新国立競技場 都の負担580億円の試算に「まったく支離滅裂だ」と舛添知事が批判
http://www.sankei.com/sports/news/150526/spo1505260028-n1.html
「国立」競技場の新設に当たって政府が東京都におよそ500億円程度の負担を要請するのではないかということは、猪瀬前知事が辞任する前から都議会でもまことしやかに流れていた話と数字でありました。
それがこの度、下村文科大臣と舛添知事の会談により、ようやく白日の下に明らかにされた模様です。
(写真は知事の部屋より)
私も調べた限りで、公式な形で国から東京都に対して国立競技場の負担について要請した記録は発見できませんでした。
ので、以下はあくまで推察を含むものです。
政界の常識的にこれほどまでに具体的な数字が出てきた場合、本当に誰もやり取りをしてなかったことはまず考えられません。
猪瀬前都知事や、重鎮の都議会議員が約束したのではないかと言われる中、もう一人のプレーヤーである森元首相が出てきてこんな発言をしており、さらに事態がややこしくなっております。
【東京五輪】「全部経緯は話した」と森会長、舛添知事に苦言 新国立めぐる文科相批判で
http://www.sankei.com/sports/news/150526/spo1505260032-n1.html
森JOC会長の発言を正とすれば、
国と約束したのは猪瀬前知事
↓
その場には森会長も立ち会った、あるいは情報を共有していた
↓
その事実は舛添知事にも就任後に伝えていた
↓
ゆえに、東京都は約束した額を国に拠出するべき
ということになります。
■
が、私としては当然のことながら、納得しかねます。
まず公式な記録に何も残っていないのだから、政治的・行政的にはどこまでいっても「口約束」です。
500億円の口約束は、常識的にさすがに肯定できるものではないでしょう。
仮に猪瀬前知事が口約束し、それを森会長が舛添知事に伝えていたとしても、舛添知事が就任してからもはや1年以上が経過しています。
「ならば早々に、国から都知事に対して正式な情報が来るだろう」
と舛添知事サイドが考えるのは当然だと思いますし、それがここまでなかったのは純粋に政府の怠慢です。
しかも舛添知事の弁によれば、官邸にプレゼンした資料を使いまわし、「なぜ東京都が500億円を負担するのか」という積算根拠が示されなかったというのですから、軽々しく承認できないという知事の態度は当然のものと言えます。
とはいえ、東京都に立地し、東京五輪のメイン会場になるものですから、自治体として東京都が負担するべきであることは間違いありません。
それにあたっては
・国立競技場の利用率のうち、どれほどを東京都民が占めるのか
・正式な建設費と納期を算出し、どの部分を東京都が負担するのか
最低でもこれくらいの数値根拠は独自に提出してもらわなければ、この金額の承認をすることは不可能といえるでしょう。
屋根がない、そもそも間に合わない、いくらかかるのかわからないと問題づくめの新国立競技場ですが、次の定例会でも確実に議論になりますので、都議会としても独自の調査・提言をしていきたいと思います。
それでは、また明日。
おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
twitter @otokita
Facebook おときた駿