「ガラクタ」から恐竜の謎を解く鍵が出た

世界中で大ヒットしたマイケル・クライトン原作の映画『ジュラシック・パーク』だが、今年はその続編がこの夏に公開される。作品のアイディアは、白亜紀の地層から掘り出された琥珀に閉じ込められた蚊が吸った恐竜の血液が残っている、というところから始まる。恐竜の血液と両生類の遺伝子を掛け合わせ、恐竜を再生させる、というのが重要なプロットだ。


マイケル・クライトンらしいサイエンスの知識をベースに、そこから発想を高くジャンプさせたもので、この両生類とのハイブリッドというのがパニックを引き起こすことになる。ただ、DNAの保存性はあまり高くない。紫外線などで容易に切断され、経年劣化でもボロボロになる。いくら琥珀というタイムカプセルに入っていたとしても、白亜紀から何千万年も経っているのでDNA情報が残っている可能性はほとんどない。

とはいえ、恐竜を現代に蘇らせる、という物語にはロマンがある。表題の記事によれば、英国のロンドン・インペリアル・カレッジの研究者らが、100年前にカナダのアルバータ州で発掘され、その後、ロンドン自然史博物館へ運ばれて所蔵されていた7500万年前の恐竜の化石から、赤血球やコラーゲン繊維のサンプルを抽出することに成功したらしい。種類不明の肉食恐竜やトリケラトプス類、ハドロサウルスなどの草食恐竜の化石群だが、これらの化石は保存状態が悪く、あまり価値のない「ガラクタ」のように扱われていた。しかし、この発見により一躍脚光を浴びることになる。

同様の発見では、2005年にドイツの研究者らにより、米国モンタナ州のロッキー博物館に所蔵されていたティラノサウルスから弾力性のある血管組織や細胞、繊維質などが明らかにされたことがある。しかし、今回のものは恐竜の種類も多く、多種多様な組織を抽出することができているようだ。すでに科学雑誌「ネイチャー」に発表されているが、恐竜が現在の鳥類へ進化した、という学説もある。映画のように復活させることは不可能だとしても、恐竜が変温動物だったのかそれとも鳥類のような恒温動物だったのか、その生理が血液の解析などからわかるかもしれない。

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骨や爪などの恐竜の化石から血液組織を抽出する手順。「e」の電子顕微鏡写真に血球が見える。

INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
Blood cells and collagen discovered in 75 million-year-old dinosaur bones by chance


Low glycemic index diet reduces symptoms of autism in mice
Science Daily
高血糖や糖尿病は、我々を含む生命体に様々な悪影響を与える。糖を分解する際に出る活性酸素が細胞の老化を早めることがわかっているが、この記事ではマウスを使った実験で低血糖ダイエットをすると自閉症の症状を緩和させるらしい。欧米では今、絶賛グルテンダイエット中だが、こうした記事によりバランスの取れた食生活の重要性が喚起される。いずれにせよ、線虫にせよゼブラフィッシュにせよマウスにせよ、絶食させると寿命が伸びることはすでに実証されている。飽食は短命につながる、というわけだ。

朝食に関するアンケート調査(第7回)
MyEL
朝食は一日の始まりのエネルギー補給として大切だが、忙しさにかまけて食べない人も多い。この調査によれば、朝食を食べる、と答えた人は9割弱だったらしいが、毎日食べる人は7割強となったらしい。なかなかの好成績だが、20代の男性は5割強しか食べていないようだ。この年代の男性では、ほとんど食べない、と答えた人が約2割いる。これが50代以上の男性になると、毎日食べる、との回答者が8割を超えている。若者が朝食をちゃんと取らないと、ますます世代間格差が広がるのではないか、と老婆心(?)ながら危惧してしまう。

Eukaryotes: A new timetable of evolution
MAX-PLANCK-GESELLSCHAFT
「Eukarytes」というのは「Eukaryota」つまり真核生物のことだ。真核生物は、動物や植物、菌類など、我々の直接のご先祖さまだ。一方、真核生物ではない生物は原核生物(古細菌などを含む)という。このリリースによれば、ドイツのマックス・プランク研究所が、真核生物の起源を調べたらしい。地球上の最初の生物らしき痕跡は、約38億年前に真正細菌のようなものの化石だ。その後、古細菌が出現し、さらに真核生物などへいたった、と考えられている。この真核生物の最初の証拠は、従来は約28~25億年前の地層から発見されたステランという有機物質によるものだった。しかし、マックス・プランク研究所の研究者らが詳細に調べたところ、この有機物は、その後の生物による「汚染」の可能性が高く、信憑性が低いものとわかった。ということで、真核生物の起源は、これまでの学説よりもずっと後の約15億年にまで引き戻されることになりそうだ。

How to Peel a Head of Garlic in 10 Seconds with Two Bowls
lifehacker
ニンニクの皮というのは、薄くてパリパリしていてけっこう剥きにくいものだ。この動画で紹介している方法だと、丸ごときれいに剥ける。しかし、全てのニンニク片が剥けてしまうのは困りものではないのか。スイカとかレモンとか、ほかの方法はあまり参考にならない。


アゴラ編集部:石田 雅彦