「借金=悪」という呪縛からの解放 --- 内藤 忍

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昨日はセミナーが終わってから、都内某所に不動産物件の視察に出かけました。駅から近い、絶好の立地にある未公開物件です。競争が厳しいので買えるかどうかはわかりませんが、条件が合えばローンを付けて投資しようと思っています。

今週店頭の並ぶ予定の新刊「10万円から始める! 貯金金額別 初めての人のための資産運用ガイド」(写真)に詳しく書きましたが、私を含め多くの日本人は「借金=悪」という固定観念に縛られています。

私自身、「借入=悪」という呪縛から、つい数年前までは、銀行から借金をしたことは一度もありませんでした。

しかし、これは誤った先入観であることに気が付きました。企業経営でも、資金調達の戦略が重要であるのと同じように、「お金の経営者」である個人投資家にも、資産運用だけでなく、借入との組み合わせ方が、これからもっと大切になると思います。

資産運用には、資産サイドだけではなく、借入をどうするかという負債サイドのコントロールも重要なのです。

車を買う、マイホームを買うといった目的で借金をするのは「消費のための借金」ですから、やらなくても良い借金です。しかし、投資のための借金はリスクをコントロールできれば、資産運用の効率性を高める極めて有効な戦略と言えるのです。

日本国内の不動産は、銀行などの金融機関から購入金額のかなりの部分を借り入れて、「レバレッジ」をかける投資方法が可能です。

もちろん借入によって、返済リスクや金利上昇リスク(変動金利で借り入れたの場合)が新たに発生します。しかし、負債を上手に活用することで、投資のバリエーションが広がります。

イールドギャップ(賃貸利回りと借入金利の差)が、一定以上になれば、空室リスクや物件自体のリスクの見返りに、収益を上げることができるようになります。ローンを元利均等で返済したとしても、毎月の返済額よりも毎月の賃貸収入が大きくなることもあり得ます。つまり、ローンで元本の返済をしながら、毎月キャッシュフローがプラスになるということです。

資産運用とは、「リスクの見返りにリターンを狙う行為」と考えることができます。借入によるリスクテイクも株式や外貨に投資することによるリスクテイクもリスクという観点からは同じもの。株式投資や外貨投資は健全で、借入による投資は悪というのは偏見です。どちらも、リスクコントロールができているかどうかが問題なのです。

何でも自分で実験してみないと気が済まない性格の私。国内の不動産物件のバリエーションも広げてみるつもりです。その結果、何が起こったかは、ブログや資産デザイン研究所メールで皆さまにご報告したいと思います。

<参考図書>
今週店頭の並ぶ予定の新刊「10万円から始める! 貯金金額別 初めての人のための資産運用ガイド」 内藤忍

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年6月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。