週刊ポスト、そりゃ売れなくなるわな

どうも新田です。来週から40代突入ですが、あいかわらず惑いまくっております。ところでニコニコ超会議で以前共演した千葉県議の水野友貴さんが週刊ポストに狙われたそうで、早速読んでみたんですよ。


週刊ポスト
「美人すぎる」千葉県議に公選法違反の疑惑浮上 当選無効も
ご興味のある方はコンビニで立ち読みするなり、花子とルンルンな中川淳一郎さんが編集長やってるらしいウェブ版にアップされたリンク先をお読みするなりしてください。中身をかいつまんで言うと、水野さんはこの春の選挙で出した公選ハガキ8000枚のうちの1枚に、すでに亡くなっていた元我孫子市長の奥様が推薦人に名を連ねていたんだそうです(ウェブ版では誰が推薦人なのかはスキップ)。だから公選法違反の虚偽事項提示なんだ、と。これに対し、水野さんはブログにおいて事情を説明。うんざりするほど長い記事なので超かいつまむと、記載ミスであり、不特定多数に配布した手紙ではないなどとして公選法違反に当たらないと弁護士見解をまじえております。

■「政争」の匂いがする不思議な記事
水野さんと面識があるとはいえ、本件についてあくまで私は是々非々のフラットで見ておりますが、両者を読んで不思議だったのは、誤記載したハガキを水野さん自身が現認できていないことなんですよね。一応、週刊ポストのほうでは元市長を取材して「妻の名前が書かれていたのは事実です」という談話を取り、記事にはハガキの写真も掲載。ただ、一部黒塗りなので本当に奥様の名前が書いてあるのか読者には読み取れないために、「名前が記されていた」というキャプションはあっても、「こういうハガキが出回っているらしい」というイメージ画像なのか、編集部で現認した物証の提示なのか、微妙に解釈の幅が出てしまうんですよね。この記事を書いたのは小川善照氏で、これまでも元タレントの女性市議の当選無効案件を取材して本にして、二匹目のドジョウを狩りに行ったところなんでしょうが、実態はどうなんでしょうかね。

編集部で現認していたとしたら、「真実と信ずるに足る相当な理由」があるので、仮に水野さんが小学館を名誉毀損で訴えたとしても免責されるかもしれませんが、誰かが物理的には偽造することも理論上は可能ですしね。そもそも告発した市議が選挙の時に争った相手陣営にいたそうなので、この物件は「政争」の匂いがするので編集部的には慎重に扱ったほうが賢明な気がするんですがね。本件を疑問視する声は、ポストの競合である音羽界隈や選挙業界でも上がっておりまして、山田厚俊さんあたりのジャーナリストも取材中だそうで、続報を期待しております。

■音羽界隈が失笑 編集長出戻り情報も
本件を探っていたら思わぬ情報もありましてね。音羽界隈から「週刊ポストで今年異例の人事異動があって内部がゴタゴタしている」という失笑付きのタレコミがあって小学館内部に探りを入れてみたんですが、どうやら編集長がIさんからMさんに交代した後、売れ行きが芳しくなく、Mさんが更迭されてIさんが復帰した的な話が入ってきたんですよ。雑誌の編集人クレジットはMさん名義のままなので、こちらも当初、ポスト編集部を表玄関から裏付け取材した際、編集長名前をつい間違ってしまったんですが、副編集長と思われるSさんから「社内の人事については公表しておりません」と逆取材対策のご丁寧なテンプレ打ち返しがございましたことを報告しつつ、Sさんには謹んでお礼申し上げます。

それにしても週刊ポストを手に取ったこと自体久々なんですが、水野さんの件とは関係なしに面白くなくなっちゃったなー。安倍政権批判になぜか今更の田中角栄グラビアを持ってきたり、謎の紙面構成です。振り返ると十年ほど前にヌード写真掲載を減らす方針になったのが転機だったようにも思います。表向きは違う言い訳をしていましたが、編集部内で東京都の有害図書指定(ヌード規制)逃れの思惑があったように当時聞きました。

マーケティング的にいうと、文春や新潮ほど活版記事は強くないので結果的に差別化できなくなり、シニアセックス特集も現代が掲載して翌週パクる的な流れが実にいたいたしく、かつては業界ナンバーワンだった部数も、実売で現代に大きく水をあけられているこの頃です。いま27万部くらいにヘタったんだっけ?

まー、ここらで、なでしこジャパンを一人脱がせてみたら一気に部数回復なんでしょうが、内部のゴタゴタが漏れ聞こえるようでは、そんな気概もないんでしょうな。元愛読者としては残念でございます。ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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