アボリジニの祖先もベーリング海峡を渡った?

母親由来のミトコンドリアDNAの分析から、いわゆる「ミトコンドリア・イブ」という人類の祖先が広く紹介されたように、今や人類学は遺伝子研究と切っても切り離れない関係にある。骨格などの形態学的な研究や文化人類学的な調査がそれを裏付ける。

人類が地球上へ適応放散した軌跡もまた遺伝子の解析からわかっている。アフリカ単一起源説によると、アフリカから中東を経てユーラシア大陸、そして氷河期に陸続きだったベーリング海峡を渡って南北アメリカ大陸へ、という道筋だ。

しかし、最新の研究によれば南米アマゾンの先住民の遺伝子には、オーストラリアやインドネシアなどオセアニア方面から渡ってきたと考えられる痕跡が多くみられるらしい。この科学雑誌『nature』に掲載された論文でも、新大陸の先住民が多様なルーツをもつことがわかった、と書いている。

彼らは現地語で「ご先祖さま」を意味する「Ypyku&#233ra」から「Yの人々(Population Y)」と名付けられた。この研究を発表した研究者らは、彼ら「Yの人々」は太平洋を船で渡ったのではなく、ほかのアジア系と同じようにベーリング海峡を渡ってきた別の集団の可能性がある、と言っている。つまり、アボリジニなどのオセアニア先住民も世界中へ散らばり、その中で残った人々が各地にいる、というわけだ。

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赤い色が濃いほど遺伝的に近い関係を示す。Credit: Pontus Skoglund, Harvard Medical School

livescience
Mysterious ‘Population Y’ May Have Bred with Amazonia Peoples


Four-legged snake fossil found
ScienceDaily
生物の「足」というのは、それほど必須の器官ではないのかもしれない。特に水中生活をする種類では、陸棲から水棲へ移行する過程でクジラ類のように後ろ足を失ったりする。両生類でも最初はあった足を失ってしまう種もいるが、真っ暗闇の環境で眼が退化するように、必要でない器官が失われたり、ほかの代替器官になる、ということは生物ではかなり普通にみられる進化だ。ヘビがどうして足を失ったのか、というのはまだはっきりとわかっていない。だが、かつてあった足がなくなったことは化石などからわかっている。この記事では、ブラジルで発見された1億1千万年前、白亜紀のヘビの化石に四肢があった、と書いている。この生物がサンショウウオの祖先を捕食していたことも化石の痕跡からわかる。また、当時のブラジルを含む南米大陸はアフリカ大陸とくっついていたため、ヘビの祖先がこのゴンドワナ超大陸で進化したことが示唆されるようだ。
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1cmほどの「手」を持つ白亜紀のヘビの化石。Credit: Image courtesy of University of Portsmouth

Scientists found a creepy fanged fish in Australia that’s far more common than everyone thinks
BUSINESS INSIDER
オーストラリアの海洋調査船(the Marine National Facility所属)がシドニー沖の海底火山を調べたところ、火山周辺に生息する不気味な生物をたくさん発見したようだ。これらの生物の多くは深海魚で、熱水が噴き出す海底の噴火口からそれほど遠くない距離の酸性の強い海水の中で生きていけるらしい。その一つが、とりあえず「The snaggletooth dragonfish」と名付けられた鱗のない黒い魚だ。新種のようだが、研究者らはこいつがどの分類に入るのか、調べている。
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歯が生えた海底火山周辺で生息する不気味な魚。MNFの研究者のブログより。

You Won’t Believe But Germans Actually Built And Used This Monster Cannon In WWII
Wonderful Engineering
第二次世界大戦中にナチスドイツが開発した80cm列車砲について紹介している記事だ。あまりにも巨大すぎるため、2両だけ作られた。製造はクルップ社。重量は1350t、全長47.3m。800mmの砲口から4.8tの榴弾、最大7tの砲弾を最大47km先へ運ぶ。ロシア南部、ウクライナのクリミア半島先端にあるセヴァストポリ要塞の攻略などの使われた。要塞攻略にはコンクリートを貫くベトン弾を撃ち出す。こちらは7.1t。7m厚のコンクリートを貫通するらしい。大戦末期、イタリアのアンツィオへ上陸した連合軍を迎え撃ったのは同じ列車砲のクルップK5。こちらは28cm砲で25両が存在した。ロケット推進弾も発射でき、その際の射程は推定で80kmだったらしい。
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フランスのマジノ線要塞を攻略するために開発された「グスタフ」と「ドーラ」8cm列車砲。

New burn pit report: Lung disease, high blood pressure common in exposed vets
MilitaryTimes
イラクやアフガニスタンに従軍した米軍兵士の病気について調査した結果を紹介している記事だ。砂漠で乾燥した環境にいたせいか、気管支や肺など呼吸器の疾患が多い。また高血圧も多く見られた。こちらは高いストレスにさらされ続けたからか。また、皮膚がんのような皮膚疾患も散見されるようだ。


アゴラ編集部:石田 雅彦