民主党のゆるキャラ戦略は奏功するのか?

どうも新田です。終戦の日の昨日、ツイッターでたまたま民主党のゆるキャラ「民主くん」のアカウントを見かけまして、読売新聞で何かやらかすと予告していたので紙面を見てみたんですよ。それがこちら。


民主くん1
お、おう。。。
どうやら、恒例のゆるキャラグランプリの投票が17日から始まるそうなんですが、政治面との見開き隣の広告面というのが、選挙つながりで趣深いです。以前も書きましたが、民主くんが今年の春先から「中の人」が変わった説がネットで噂されておりました。”本人”は「中の人などいない!」と否定に躍起になっておりますがね。そして、とうとう、グランプリにチャレンジすることを決め、出馬にあたっても、都知事選のときの家入さんを丸パクリして、「1,000以上、リツイートされたら出馬します」と宣言するあたりは、面白いですね。

もっとも、当時の家入さんのフォロワー数の10分の1あるかないかくらいなんで、「これで1000行かなかったから、民主党赤っ恥じゃないのか」と思っていたら、見事に達成。このほど、公認をもらい、いよいよ明日から投票に入るそうです。一応、投票の公正を期すために(笑)エントリーした候補者全員の写真も掲載しておきますが、それにしても、周りが企業や地域振興系のキャラクターにあって、一人だけ「政治を変える!」って力んでいるあたりが、浮きまくっております。
民主くん2
まー、これだけ候補者が乱立する選挙であれば、良い意味でも悪い意味でも目立つことは大事なので、民主くんのご健闘をお祈りしております。

■ようやく大胆になってきた民主党の広報戦略
それにしても、民主党の広報戦略も一昔前までと違って振り切ってきましたね。
もちろん、18歳選挙権引き下げを見越しての企画ではあるんでしょうけど、これまで政界でのゆるキャラの使いっぷりは共産党のカクサン部が他党の追随を許さない上手さがありました。また、本ちゃんの新人候補者公募でも、売り出し中の玉木雄一郎議員らを前面に「反骨のエキスパート」なんて大胆なコピーを披露しております。
反骨のエキスパート
玉木雄一郎

かつての民主党のイメージだと、海江田さんが党首をやっている頃までは、野党に転落して議席数も大幅に減ったくせに与党時代の守勢というか「大企業病」を引きずってしまっていたんですよ。代理店やコンサルといった外部のスタッフ、あるいは内部からも若手議員や地方議員が、世間を賑わせるような企画なり、多少の炎上を狙った企画を提案しても、守旧派の意向が働いてしまい、とにかく無難にやらせようとするから、ただでさえ国民に相手にされない時期があった時に、まともにアテンションが取れなかったんですよ。党首である海江田さんが落選し、自民党や共産党がネット選挙の戦術でも圧倒的に先を進んでしまっているのを見せつけられて、ようやく重い腰が上がってきたように見えます。

■女性と子供を取り込む切り口に
まあ、ゆるキャラの切り口に目をつけたのは、民主党らしさがあって、発想としては悪くないのではないでしょうか。自民党もアプリゲームで「あべぴょん」なんてキャラクター作ってましたけど、保守政党らしい、男らしさ、力強さが求められる本来のイメージと、ゆるキャラは相性が必ずしもよくはありません。安保法制前後の世論調査のデータで、特に女性からの政権支持率が悪くなっていることを考えると、民主党としては、女性票を取り組むチャンス。とっかかりの一つとして、女性や子供が馴染みやすい、ゆるキャラPRから攻めてくのは面白いです。

しかし、NHKの世論調査だと民主党の支持率が若干持ち直しているわけですが、ゆるキャラグランプリで仮に惨敗したときのリスクもそれなりにあります。なんてたって、選挙を本業としている組織から出ているキャラクターなわけですから、それこそ連合から日教組もろもろ含めて動員してでも本気で勝ちにいかないと、民主党の選挙は相変わらず詰めが甘いな、と思われかねません。

■投票結果が参院選のバロメーター !?
そういや、選対本部は立ち上がっているんですかね?とりあえず、民主くんが圏外に終わったら、民主くんの公認取り消しはもちろん、岡田さんがフランケンのお面を被って謝罪会見するとか、細野さんが丸坊主になるとか、蓮舫さんが年甲斐もなく20年ぶりくらいにセクシーグラビアを出すとか、罰ゲームを公約すると盛り上がるのは必至なんですがね。まあ、真面目に現実的な話をすると、少なくとも、地元で活動中の先生たちが朝の駅立ちとかで「民主くんをよろしくお願いします」と選挙活動やると、公選法の適用外でしょうし(笑)、党のアピールにもなるんじゃないでしょうか。

たかがゆるキャラグランプリ、されどゆるキャラグランプリ……。そのあたり自発的に盛り上げる議員さんがどれだけいるのかも、来年の参院選に向けた党の広報センス、選挙への地力が問われるような気がします。とりあえず、民主くんの無謀なチャレンジを生温かく見守りたいと思います。ではでは。
新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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