法案審議が終わってから騒ぐ法学者の「知性の危機」


きのう私がこう書いたら、いまだにしつこく「去年の閣議決定で安保法制は決まってない」とか「自民党の公約になかった」とか書いてくる人々がいるので、事実を確認しておく。

去年7月1日の国家安全保障会議決定・閣議決定で「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制」が決まった。この閣議決定では、

  • 武力攻撃に至らない侵害への対処
  • いわゆる後方支援と「武力の行使との一体化」
  • 国際的な平和協力活動に伴う武器使用
  • 憲法第9条の下で許容される自衛の措置

などの具体的な制度がすべて決まっており、官邸のホームページで公開されている。これが政府としての最終決定で、あとは「関連法の整備」だけなので、自民党の選挙公約にも書かれている。

ところが野党は、昨年12月の総選挙で安保法制の中身を論じないで「集団的自衛権反対」だけをぶち上げて惨敗し、自民・公明が2/3の絶対多数をとった。衆議院では可決されたので、もう審議は実質的に終わり、参議院でも可決は確実だ。今ごろ「違憲」とか「廃案」などのプラカードを掲げている法学者は、こういう憲法に定める手続きを知らないのか。

山口二郎氏は正直に「(法案を阻止する)具体的な方法はない」と認めているが、「安倍政権によるクーデターだ」などといっている石川健治氏は、二・二六事件などのクーデター(軍による政権掌握)も知らないのか。まさに日本の知性の危機である。