どうも新田です。その昔、チェッカーズというバンドが一斉を風靡しましたが、フミヤさんと高杢さんの確執で解散してから早いもので20有余年が経過しております。まあ、ロックバンドと政党は結構似ているところもありまして、個々のメンバーが非常に個性的すぎる分、全員のビジョン共有や利害一致が図られる間はうまくいくわけですが、バンドが売れなくなったり、主要メンバー同士の確執に歯止めが効かなくなったりすると、あっけなく空中分解してしまいます。
■“元サヤ党”誕生で野党再編はつまらなくなるのか
ここのところ、維新の党が分裂して橋下さんが大阪組の純化路線を進める一方で、残った松野さんたちは民主党との合流を目指しており、結局、松野さんは民主党に実質に復帰して「元サヤ党」が誕生というのでは、有権者から見ると、なんだかなーというところでしょう。「自民に賛成するのは微妙だけど、今更民主党というのもねー、さすがに共産はNGだし」という無党派層はそれなりにいると思うわけですが、大阪では、まだ橋下さんたちが幕末の長州藩のように四方を敵に回して孤軍奮闘しながら受け皿になる可能性があります。しかし東京や首都圏には、そうした面白いプレイヤーがおらずに、次の選挙、どこを支持しようか、困ったねーと思っていたこの頃、松田公太さんの本日昼過ぎのブログで気になる文面があったんですよ。
「日本を元気にする会 豪雨災害対策本部」
昨日の昼過ぎに「日本を元気にする会 豪雨災害対策本部」を設置し、午後と夕方に2度のミーティングで様々な情報収集を行いました。
今回は日本を元気にする会の会派議員だけではなく、無所属議員の松沢成文さん、薬師寺みちよさん、そして渡辺美知太郎さんにもメンバーとして参加して下さることになり、とても心強く思っています。
■政治記者が見落とした再結集の兆候 !?
タリーズ党こと元気会は、松田さん以下4人の旧みんなの党出身者と、アントニオ猪木さんの5人で結党して、先日は、世界の国会ではたぶん初めてとなる「割合投票」をやらかしたりするユニークな取り組みをやったばかりです。非常に斬新だった割に日経新聞がコラムの中で取り上げただけでマスコミの注目もいまいちの状況というのは少数政党の課題でしょう。
実際、この災害対策本部もどうやら野党クラブから毎日の記者さんが取材に来たくらいのようですが、この日は元気会と同じ会派を組む行田邦子さん、田中茂さんも参加。さらに注目したいのは、先ごろ次世代の党を離れた松沢さん、ギャンブル依存症問題を考える会の皆さんを応援いただいている、医師でもある薬師寺さん、そして、渡辺喜美さんの甥っ子でもある美知太郎さんが参加していたようです。
言うまでもなく、この5人はみんなの党の出身です。一応、松田さんの事務所に取材ついでにお願いして写真をもらったのですが、もしかしたら、“みんなの再結党”の可能性もあるのではないか、と興味深く思います。特に美知太郎さんが入っているというのは、渡辺喜美さんと気脈を通じているのかどうかという意味でも、たぶん野党クラブの記者が取材に来ていれば、政局的な動きの視点から記事化したんじゃないでしょうかね。
そういえば、8月28日の松田さんのブログの締めにはこんなくだりも。
「第三極」
様々な経験をした元みんなの議員が再集結して新しい枠組みを作ったら、意外と良いものが出来るのかもしれませんね(笑)
まあ、もちろん、豪雨対策本部は、野党としてもできることのタスク確認というのが第一義ですし、なによりも被災地は、みん党のオーナー一族である渡辺ファミリーの拠点でありますから、参加された先生方は政局的な思いは一旦切り離して真剣に討議されたのだとお察しします。
■「西の橋下 東の松田」なら面白い第3極
しかし、個人的に、ここのところの野党再編の動きを見ていると、民主プラス松野維新連合の「元サヤ」路線はなんの面白みもないし、下手に図体がデカいと労組の言いなりになるだろうから、振り切ったこともできないだろうな、と。しかも政治は数が力ですから、一時は新党結成も視野に入れていた細野さんや前原さんたちの動きもおそらくこれでおとなしくなってしまい、「三木谷さんあたりに投資してもらって面白い政党を作ってもらいたい」という個人的な期待も霧消しそうです。
さらに、ここ最近のエダノンあたりの安保法制論議での左傾化路線にうんざり感もあって、もうなんだかな、という気がしていたところですが、せめて大阪における維新のように、首都・東京でもキャスティングボートを握るような第3極のポジションを狙う政党が出てきたら、今後の政局・来年の参院選は面白くなるんですがね。
「西の橋下維新、東の松田新党」という形で新しい動きが出てくると、民主プラス松野維新の元サヤ路線とは違う、展開の読めない野党再編に色々とつながってくると、永田町リングにそっぽを向いた有権者、特に首都圏の無党派有権者にとって、少しは見応えが出てくるのではないでしょうかね。民主党への合流に違和感を覚えているであろう、松野維新の元みんな系議員さんたちもおりますし、とりあえず、“みんなの再結党”の可能性は意外に小さくなくて、少なくてもチェッカーズの再結成よりは、はるかに現実味があるんじゃないかと思います。ではでは。
新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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