基本的なことだが、誤解が広がるといけないので確認しておく。読売新聞は「政府は安全保障関連法の成立を受け、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣中の陸上自衛隊に「駆け付け警護」の任務を新たに与える検討に入った」と報じたが、これを勘違いして騒ぎ始めたのが例の連中だ。
自衛隊の集団的自衛件行使の最初の事例は「南スーダンで、米軍の肩代わりをして中国軍を警護し、中国の権益を守る」ということになりそうです。「中国の脅威」論を押し立てて強行採決した法案の最初の適用が「中国権益の擁護」であるということから僕たちが知れるのは、
— 内田樹 (@levinassien) 2015, 9月 22
PKOは「集団的自衛件(ママ)」とは無関係で、これまでも自衛隊が参加している。これは国連の集団安全保障の活動であり、自衛隊の任務の一部が安保法制で拡大されたので、「現地の国連スタッフらが武装集団に襲われた場合に自衛隊が助けにいく」任務を加えるかどうか検討するというだけだ。
国連は集団安全保障の機関であって、集団的自衛権は軍事同盟の概念。読売の記事では両者を混同していないが、安保法制=集団的自衛権=集団安全保障と短絡する人が多いので、まず小川和久氏の本ぐらい読んでから議論してほしい。