同期である宮崎謙介議員が金子恵美議員の出産にあたり、産休を取得してイクメンとして活動したいと表明したことについて賛否が分かれています。
独身の私が本件について書いても説得力はないかもしれませんが、クリスマスイブに時間がある私だからこそ、少し書いてみます。
ネット上の賛否を見るとざっくり下記のように分かれています。
【賛成】
・国会議員が率先して体現することで意識喚起になる。
・国政に携わる者が子育てや育休を経験することは意義がある。
・これが否定されると子育て世代は国政に携われないのでは。
【反対】
・選挙区の声が反映されなくなる。
・一般の仕事とは異なるので育休という権利取得はなじまない。
・時間の自由度も高く、高収入なのでやりくりできる。
たしかに、時間をやりくりしながら最低限委員会と本会議の採決には加わるということで対応することは可能かもしれません。
遠隔でも採決可能ということにすれば、技術的にはすぐに対応可能でしょう。
この点は国会の生産性向上のためにも、これを機に議論すべきと思います。
特に子育ては1~2か月で終わりではいないですから、働き方改革・国会改革は必要です。
ただ、ニューズピックスの記事でも紹介したとおり、国会議員の役割は採決することだけではありません。https://newspicks.com/news/1225505/body/
意見集約・問題提起・解決策の提案など、本来の役割を果たすのは難しくなり、上記のような最低限の活動をしています、では有権者に納得感はないと思います。
であれば、他国の事例のように育休を認め、そのかわり代理を立てる方がいいですね。
その場合、代理についてですが、選挙で次点の同党議員などの案が出ていますが、私は政策秘書も選択肢に入れてよいと思います。
小選挙区ではやはり本人の人間性や政策を支持して投票しているわけですから、本人の意向を尊重する存在がよいのではと考えるからです。このあたりは議論していけばよいと思いますが。
育休以外にも怪我や病気でも議員活動が難しくなることはありますから、その場合も同様に対応できるようにしてはどうでしょうか。介護の場合はどうするのかという議論もありそうです。
今回の産休取得の現実的な内容がどのようなものになるかは本人と党で相談の上で固まっていくものですが、議員の現実として『産休取得』という大義名分がないとどうしても各種会合への出席のプレッシャーがかかり、結局時間はとれないでしょう。
それを何の問題もなく断れるとするなら余程選挙に強い議員ということで、若手には相当難しい条件です。
彼自身も相当悩んで今回の判断にいたったことをブログにもつづっています。
http://ameblo.jp/miyazaki-kensuke/entry-12109295334.html
様々な批判や指摘もありますが、彼自身、何か権利を主張したいというわけではなく、問題提起と現実的な解決策の検討を目的としたものであることは、本人のブログを読んでいただければ理解いただけると思います。
引用
『正直に申し上げて、不安がないと言えば嘘になります。有権者の皆様は怒らないだろうか、先輩や同僚の議員に迷惑をかけて申し訳ない、自分の将来の評価にマイナスになるのではないか、と様々な考えを廻らせました。何より国会議員としての責務を放棄していることになりはしないだろうか、国会の権威を失墜させないかと悩みました。
~中略~
※私はただ単に休暇を取りたいのではなく、育児をするライフスタイルを作り出すことを目的にしています。当然ですが毎日、私の事務所とも電話やメールで連絡を取り合いますし、地元の皆様の要望などを承る体制は整えます。』
議員報酬はどうするのか、余裕がなくて育休が採れない人もいるのに、など様々な批判もあると思いますが、今回のように賛否が分かれることを本人も覚悟したうえでの行動です。
最終的には選挙区の方々がどう判断するかなのですが、私としては重要な問題提起をした彼の行動を、年明け以降の国会における具体的な政策で応援したいと思います。
メリークリスマス。
編集部より:この記事は、衆議院議員・小林史明氏のオフィシャルブログ 2015年12月24日の記事を転載させていただきました(アゴラ編集部で改題)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林ふみあきオフィシャルブログをご覧ください。