反省、2015年。展望、2016年。 --- 中村 伊知哉

スライド1

賀正 でございます。
 2013 年頭所感
 
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/01/20122013.html
 2014 年頭所感 
 
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/01/20132014.html
 2015 年頭所感
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/01/20142015.html

いつものとおり、2016年を始めるに当たって、2015年を振り返ります。

2014年はスマート化の仕上げに動き、ネット、キッズ、ポップの3本柱の安定化を図りました。そして2015年は構造を壊し、柱となる新機軸を立ち上げました。ネット、キッズ、ポップに代わる新しい枠組みを、「City」「Cool」「Convergence」の3本柱としました。


1 CITY

 
 デジタルの街づくりをするプロジェクトです。


1) CiP
港区竹芝にデジタル・コンテンツ産業集積特区を作る「CiP」。4月に一般社団法人「CiP協議会」を設立し、2019年度の街開きに向け始動しました。

通信、放送、IT、音楽、アニメ、ゲーム、広告、商社、VC、学校など50社・団体が参加し、内閣官房など政府とも連携しています。既に国家戦略特区として総理大臣の認定を受けており、テストベッドを構築するほか、沖縄・京都等の都市、スタンフォード大学など海外との連携も強化します。
 http://takeshiba.org/

2) 超人スポーツ
身体と技術を融合させ、人機一体の新しいスポーツを開発する「超人スポーツ」。稲見昌彦さん・暦本純一さんとぼくが共同代表となって「超人スポーツ協会」を立ち上げました。

超人スポーツハッカソン、超人スポーツEXPOなど、新スポーツの開発、展示、普及に向け慌ただしく活動が始まっています。 2020年には超人五種競技国際大会を開く街を整備したく存じます。
 http://superhuman-sports.org/

3) Tokyo Crazy Kawaii
マンガ、アニメ、ゲーム、ファッション、食、雑貨などなど、クールジャパン業界の総合力を海外に発揮するビジネス☓カルチャーイベント。NIPPONのカワイイを世界各地でローカライズしていきます。昨年はバンコク大会がテロで延期。1月に開催します。

  
 http://www.crazykawaii.com/


2 COOL

 
ポップカルチャーの世界展開やコンテンツの開発を進めるプロジェクトです。




1) Artist Commons
アーティストに固有のIDを付与し、コンテンツやグッズ、ライブ等の情報を展開しやすいようにするプロジェクト「Artist Commons」を音楽業界とスタートさせました。
本件は政府クールジャパン戦略にも明記され、CiPをベースに展開します。
 http://bit.ly/1kiqzyj

2) アニメマンガビジネス
日本動画協会「アニメビジネス・パートナーズフォーラム」。アニメ等のコンテンツ分野がパートナービジネスを開発する活動に協力しています。文科省アニメ・マンガ人材養成事業と連携し、クリエイター、教育機関、関係業界とともに育成カリキュラムの策定にも携わっています。これもCiPとの連携を強化する計画です。

内外のマンガ家と関連企業が集う「海外マンガフェスタ」。今年もちばてつや先生らと東京で開催しました。
 
 http://abpf.jp/
 http://kaigaimangafesta.com/

3) 沖縄/京都国際映画祭
吉本興業が主導する沖縄国際映画祭にて、世界のお笑い映像の収集・発信、コンテンツ取引市場の形成などを推進しています。京都国際映画祭には特別顧問・実行委員として参加。映画とアートの祭典を今後も進化させます。
 
 http://www.oimf.jp/
 http://kiff.kyoto.jp/

4) 政府コンテンツ政策
内閣官房・知財本部では座長として「コンテンツ及ひ周辺産業との一体的な海外展開の推進」を柱とする知財計画2015を策定。「クールジャパン戦略推進会議」では「デザイン」「コンテンツ」「食」「地方・観光」の4分野のうちぼくはコンテンツを担当しました。クールジャパン官民連携プラットフォームも設立され、その活動に参加・協力していきます。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/04/blog-post_17.html
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2014/05/japan-night.html

5) その他
◯ もしもしにっぽん
きゃりーぱみゅぱみゅ主演の「もしもしにっぽん」。NHKワールドで世界放映し、ネットでも配信するほか、国内ではBSフジでオンエアというメディア融合番組。「ICHIYA’S POP EYE」というコーナーを企画・提供。ポップな日本を英語で紹介。24回でひとまず終了です。
 
 http://www.jibtv.com/programs/moshimoshinippon/

◯ JMOOC
ネット無料配信の講座「ポップパワー」を提供しました。受講生から実行プランを求め、それを実際に創る。新しいタイプの講座を試みました。

 http://gacco.org/

3 CONVERGENCE

 
メディア融合や新メディア開発を進めるプロジェクトです。


1) デジタルサイネージ
デジタルサイネージコンソーシアムを一般社団法人化しました。
2020年に向け、多言語・防災おもてなしサイネージと、4K8K次世代サイネージの整備が国家課題と位置づけられ、総務省2020年ICT懇談会の場で方策づくりが続いています。これを推し進めます。
 http://www.digital-signage.jp/



2) IPDC/スマート放送
放送の電波に通信技術であるIPを乗せるサービスを開発するIP Data Casting(IPDC)。CiP特区でのメディア融合実験を企画しています。TFMグループが進めるVlowマルチメディア放送もCiPでの通信・放送融合実験を計画中です。

民放連でぼくが座長を務めるネッド・デジタル研究会でもこれら企画を論議していきます。
 http://www.ipdcforum.org/


  

3) IT政策研究会
スタンフォード大学アジア太平洋研究センターAPARCとの共同でIT政策に関する研究を進めています。日米の政府・企業関係者とともに政策の整理をします。
  
 http://www.itpolicy-roundtable.net/

4) その他
◯ ネット炎上
ネット炎上対策を講ずるプロジェクト。社団法人ニューメディアリスク協会とともに、事例調査、啓発教育などの活動を進めています。

 
 http://newmediarisk.org/guide/greeting
◯ オープンデータ
オープンデータ対策を進めます。VLED(社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構)に協力し、普及啓発に努めています。


 http://www.opendata.gr.jp/




4 参考 デジタルキッズ
デジタルキッズはCANVAS石戸理事長に完全に代替わりし、発展期に入りました。
 11回目を迎えたワークショップコレクション
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/11/2015.html
 第4回を迎えたデジタルえほんアワード
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/12/2015.html
 いずれも順調に育っています。

デジタル教科書も大きく動きました。文科省ではデジタル教科書の正規化に向けた検討会議が発足し、DiTTも意見を述べてきました。DiTTとしても提言「教育情報化推進法の制定を」を発出、新しい運動にコマを進めています。
 http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/08/blog-post_0.html
 http://ichiyanakamura.blogsp


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2016年1月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。