2016年もすでに10日以上が経ち、やっとお正月や成人式などのイベントも終わり、落ち着いてきたかなという感じですが、政治状況は引き続き、バタバタし続けそうです。
まずは年明けから通常国会が開かれ、昨年後半や年末にかけて、様々な疑惑が叫ばれてきた内閣閣僚への野党からの追及があることでしょう。また選挙関係では、民主党と維新の会が合流し、新たな政党名を付けて、2016年の夏にある参議院選挙に臨むという報道もありました。
各政党は実現したい政策のために尽力するとともに、当面は参院選に向けて、「支持率」も気にしなければならないでしょう。政策の実現に向けた活動と、支持率向上のための活動、と両側面を意識した活動が必要…と、どの政党にとっても多忙な1年になること必至です。
振り返っても激動の1年
昨年2015年も、政局は激動の年でした。そこで今回は、今年の政局を占う意味でも、昨年の各政党の支持率の推移について見てみます。
昨年は衆院選や参院選といった大型選挙がない年でしたが、1月から政治に関しては動きがありました。松田公太参院議員が代表の「日本を元気にする会」や小沢一郎衆院議員と山本太郎参院議員が共同代表の「生活の党と山本太郎となかまたち」が立ち上がりました。
5月には「太陽の党」が「次世代の党」に吸収合併される形で消滅しました。大阪都構想の住民投票が行われたのも5月でした。秋から冬にかけては、「維新の会」内部で対立が起き、「おおさか維新の会」が結成されました・・・
と、いくつかピックアップしてみましたが、非常に濃い1年でした。
各社の支持率調査の「差」にも注意
ではこれらの2015年の政治を踏まえて、朝日新聞と読売新聞とNHKが月ごとに定期的に行っている世論調査の結果から政党支持率を見てみましょう。
ここで注意したい点は、「支持率を調査している報道機関によって、支持率に差が見られる」という点です。各報道ごとに、若干読者層も異なりますので、その結果、支持率のアンケート結果にも差が出てきます。
例えば自民党の支持率に着目すると
朝日新聞:支持率が低く出る
読売新聞:支持率が高く出る
NHK:変動幅が少なく、安定的である
ということが分かります。このように一概に政党支持率を調べた世論調査と言っても各社の特徴があり、参考にしてみてみると面白いのかもしれません。
さすがの自民党!他の政党は…厳しい1年
全体の傾向として、まず見えるのは、自民党の一人勝ちの状況です。
7~9月頃には安保法制などで批判されることも多く、支持率は低下している側面もありますが、唯一2015年支持率を30%以上キープし続けているのは、安倍政権の政策などに対して評価されているからか、はたまた昔から政権を担い、多くの支持者がいるという選挙に強い面が反映されている結果でしょうか。
支持率が第2位になっているのは民主党ですが、ほぼ横ばいとなっており、一定の支持者はいるのでしょうが、安倍政権が多くの政策を打ち出しているにもかかわらず、その対抗勢力としての攻め手が有権者にイマイチ見えていないということでしょうか。
そしてその他の政党は、5%以下に甘んじており、自民党一強の状況に攻めあぐねていることが分かります。
異様など高い「支持政党なし」
支持政党なしの値も相変わらず高く、自民党の支持率と似た、これまた高い値となっています。既存の政党に対しての不信感であったり、自分の考えを主張している政党がないのでしょうか。
2016年は既存の各政党の様々な努力や、今後新しく生まれてくる政党や政治家によって、政治不信と言われている状況が少しでも改善してくれることを願っています。
相変わらず、自民党以外には厳しい状況が続くでしょうが・・・
増沢諒:食べる政治代表
1988年長野市出身。早稲田大学卒業後、ITベンチャーでの勤務を経て、現在、東工大大学院修士課程。研究テーマは「ネットと政治」。ネット選挙解禁を目指す活動「One Voice Campaign」をはじめとし、様々な啓蒙活動を展開。2014年マニフェスト大賞受賞。
Twitter:mojamoja_megane
WEBサイト:http://taberuseiji.com/
編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年1月13日の記事「独走状態の自民党をさらに上回る「支持政党なし」!?一目で分かる世論調査結果比較」を転載させていただきました(タイトル改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。